トヨタ自動車、寒冷地域のカナダ・ケベック州に燃料電池自動車「MIRAI」を試験導入


「MIRAI」を通じて、水素を活用した「未来」に関する理解活動を開始

トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:豊田章男、以下 トヨタ)のカナダにおける販売事業体であるToyota Canada Inc.(以下、TCI)は、3台の「MIRAI」を試験導入し、燃料電池自動車(以下、FCV)への理解促進活動(Awareness Campaign)に活用する。

この活動は、今月20日から29日まで開催される「モントリオール国際自動車ショー」でのMIRAI展示を皮切りに開始。

以降、様々な自動車ショーなどのイベントにMIRAIを出展し、FCVの仕組みや温室効果ガス削減などの環境貢献について、カナダのお客様や業界・政府関係者の幅広い理解を得ることに取り組んでいくもの。

トヨタによると、モントリオールが属するケベック州は、カナダのなかでも特に気候が寒冷であり、MIRAIの優れた寒冷地性能(トヨタは車両開発にあたって、燃料電池車の弱点とも云える寒冷地の始動性能の安定化に腐心・成功している)を理解・浸透させていく上で相応しい場所だとする。

また、同州では再生可能エネルギー導入が進んでおり、世界有数の水素生産地としてのポテンシャルがあることも含めて、本理解活動を開始する場所として最適だとしている。

そうした前提を踏まえ今回の活動では、「CO2を排出しないモビリティ社会実現」の目標に向けて、カナダに於いても、FCV等の普及促進に欠かせない水素インフラの整備が重要であることを伝えていく構え。

TCIの副社長であるステファン・ビーティ氏は「水素を燃料とするMIRAIは、カナダで生産している数多くのハイブリッド車も含めて、トヨタが誇る幅広い先進技術やラインナップの新たな一員として、CO2排出量削減に貢献するだけでなく、お客様がクルマに求めるものを数多く備えたクルマである。

今回、ケベック州モントリオールの地から、カナダ全土に向けて理解活動を開始できることを嬉しく思う。

お客様や業界・政府関係者の方々に、水素社会やFCVという、よりクリーンな未来に向けたトヨタの取り組みをお伝えできることを楽しみにしている」と語った。

MIRAIは、水しか排出しない環境性能に加えて、水素充填時間や航続距離などガソリン車と同等の利便性、そして走る楽しさもあわせ持つ「究極のエコカー」として、現在、政府主導で積極的な水素インフラの整備を進めている日本に於いて、限られた台数ながら発売されており、同じく米国・欧州でもトヨタとして積極的な認知・浸透策を打ち出している。

また、先の報道の通りでオーストラリアやアラブ首長国連邦などの国に於いても、試験的な導入による実証実験を進めている。

加えてトヨタとしての取り組みに加えて、本年1月にエネルギー・自動車業界の13社で、水素社会実現に向けた共同ビジョンと長期目標を提唱するグローバル・イニシアチブである「Hydrogen Council」(水素協議会)を発足させる(既に記事化)など、個社・業界の枠を越えた連携にも同社は積極的な姿勢を見せている。

トヨタでは、「持続可能な社会の実現に貢献するためのチャレンジとして、『トヨタ環境チャレンジ2050』を2015年に発表し、新車CO2排出量90%削減(2010年比)などの目標を掲げ、様々な活動に取り組んでおり、水素社会の実現も含めて今後も取り組みを進めていく」と結んでいる。