豊田自動織機、燃料電池フォークリフトの実用化モデルを関西国際空港にて実証開始


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株式会社豊田自動織機(本社:愛知県刈谷市、社長:大西 朗、以下、豊田自動織機)は、開発中の燃料電池フォークリフト(以下、FCフォークリフト)実用化モデル2台を、新たに本年3月から関西国際空港 国際貨物地区に於いて導入・実証を開始した。

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実証については、ANAグループ(ANA関西空港株式会社)、およびJALグループ(日航関西エアカーゴ・システム株式会社)の協力のもと、各社でFCフォークリフトを運用しながらCO2削減効果や、作業性の改善効果の確認を行っていくとしている。

同社は、新関西国際空港株式会社が進めるスマート愛ランド構想の柱の一つである「水素グリッドプロジェクト」に参画しており、その一環として、2015年2月から環境省の「平成26年度CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」にて採択された「燃料電池フォークリフトの実用化と最適水素インフラ整備の開発・実証事業」として、FCフォークリフトの普及に向けた実用化開発を進めていく。

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実証事業では、既に第1弾として2015年2月より、FCフォークリフト1台を運用し、連続して高稼働な荷役作業が行われる、空港物流におけるCO2削減効果の確認および稼働データ収集を行ってきた。

第2弾として今回導入する実用化モデルのFCフォークリフトは、トヨタ自動車株式会社の燃料電池自動車(以下FCV)「MIRAI」と同じ燃料電池セルを使用した新開発のフォークリフト専用FCシステムを搭載。自社開発のFCV部品や電動フォークリフト部品を活用し、低コスト化、信頼性向上に取り組んでいる。

FCフォークリフトは、エンジンフォークリフトに比べ、稼働時にCO2や環境負荷物質を排出しない優れた環境性能を有している。また、約3分で燃料充填を行い、充電や電池交換なしで連続稼働が可能なことから、電動フォークリフトと比較して稼働効率を大幅に向上させることができる。

同社では、物流現場において、空港、工場、市場などは、フォークリフトの使用台数が多く、高稼動であることから、FCフォークリフトの導入による環境負荷低減効果および作業性の改善効果が高いと予測しており、水素社会の実現に向けて、高い環境性能と経済性を両立するFCフォークリフトの早期の実用化、2016年度中の本格導入を目指して、研究開発に取り組んでいくとしている。

実証事業の概要は以下のとおり。

実証実験の概要
1) 期間: 2015年2月から2017年3月末まで
2) 場所: 関西国際空港 国際貨物地区(大阪府泉南市)
3) 内容: FCフォークリフト 1台(2015年2月より実証中)
実用化モデルFCフォークリフト 2台(2016年3月実証開始を計画)