トヨタ陣営、WRCポーランドを舞台に高速グラベルラリーへ挑む


トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:豊田 章男、以下トヨタ)傘下のTOYOTA GAZOO Racingチームは、6月29日(木)から7月2日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第8戦ラリー・ポーランドに挑む。

チーム体制は、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #10号車)、ユホ・ハンニネン/カイ・リンドストローム組(#11号車)、エサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム(#12号車)の3台のヤリスWRC体制での参戦となる。

ラリー・ポーランドは、同国北東部を舞台とする今シーズン最初の超高速グラベル(未舗装路)ラリーで、刻一刻とめまぐるしく変化する路面状況を捉えて好リザルトを得るべくチーム一丸となって挑戦を重ねていく構えだ。

#10号車(ヤリ-マティ・ラトバラ、ミーカ・アンティラ)

ラリー・ポーランド自体は初開催が1921年であり、長い歴史と格式を誇るラリーとして数々の伝説を積み上げてきた。

特に近年では、1973年のWRCシリーズ開始早々注目を集めた。その後、暫くの休止期間を経て、2009年に2度目のWRC開催が実現。2014年以降は毎年WRCの1戦として開催が重ねられている。

ちなみにこのラリーの特徴は、ハイスピードなグラベルコースにある。

SS(スペシャルステージ)の平均時速は、WRCを代表する超高速コースのラリー・フィンランドに迫り、今シーズンこれまでに行われてきた他のグラベルラリーとは、全く異なる走りが求められる。

そのためチームにとってラリー・ポーランドは、未知数のチャレンジングな一戦となり、ヤリスWRCに過酷なと要求を突きつけるだろうことは明白だ。

そのコースセッティングは緩やかなハイスピードコーナーが特徴でフルスロットルで走り抜ける迫力ある走りが披露されるだろう。

また路面は目の細かい砂状のグラベルに覆われており、軟らかな表面で、かつ道幅が狭いことから、マシンセッティングは走行順によって微妙な調整が求められる。

勝敗の命運が決すると思われる地点は初日早々に現れる。そこはポーランド北東部マズールィ地方のミコワイキ。

競技はこのミコワイキに設けられた全長2.50kmのスーパーSSコースで6月29日(木)にスタートし、翌日30日(金)から、ミコワイキ周辺で本格的なグラベルのSSが行われる。

そして30日(金)、7月1日(土)ともに1日の最後には、ミコワイキでのスーパーSSが予定されている。競技最終日の2日(日)には4本のSSが設定され、最終ステージのSS23は、トップ5タイムを記録した選手にボーナスの選手権ポイントが付与されるパワーステージとなるだろう。

4日間を通してのSSの数は23本で、その合計距離は326.64km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は、1422.63kmとなる。

トミ・マキネン(チーム代表)
ポーランドは、これまでのラリーとは違う新たなる挑戦となり、興味深い戦いになるでしょう。

コースはフィンランドと似ている部分もありますが、ジャンプが少なく、路面が軟らかいのが特徴です。我々のヤリスWRCは空力性能の高さが強みです。

ハイスピードなポーランドの道は、クルマを鍛える良い舞台となるでしょう。ここ数戦はクルマに大きな負担がかかるグラベルラリーが続きましたが、ポーランドはそれほど苛酷ではないと思います。

もっとも、実際にコースを走ってみないと分かりませんし、私はラリー・ポーランドに出た事がないので予想は難しいですが。選手は皆、どのように戦うべきかを十分に理解しているので、私としては、彼らが目標に向かって集中力を保てるようにサポートしていきます。

(左から)ミーカ・アンティラ、ヤリ-マティ・ラトバラ

ヤリ-マティ・ラトバラ(ヤリスWRC #10号車)
エストニアでは、ポーランドに向けた、とても良いテストができました。

テストでは雨の走行も行ないましたが、ポーランドでは去年も最終日に雨が降り、今年のラリー期間中も暑い日が続いた後には降雨の可能性があるので、とても有効だったと思います。

テストでは主にダンパーの改善を進めた結果、特にクルマの安定性の向上に手応えを感じました。我々はフィンランドのハイスピードな道でヤリスWRCの開発テストを続けてきたので、速度の高いポーランドの道との相性は良いのではないかと思います。

(左から)カイ・リンドストローム、ユホ・ハンニネン

ユホ・ハンニネン(ヤリスWRC #11号車)
しっかりと準備をして臨んだ、前戦ラリー・イタリア サルディニアではクルマの進化に満足しました。我々のクルマは、速度の低いラリーよりも、高いラリーのほうが合っていると思うので、ポーランドに関しては自信を持っています。

速度の高いラリーではセットアップをあまり気にする事なく、運転に集中する事ができます。

テストでは、これまでも改良を続けてきたサスペンションにさらに変更を加え、良い反応を得る事ができました。グラベルラリーで問題となる出走順に関しては、サルディニアほどは大きな差が出ないと思いますが、それでも金曜日は重要な1日となるでしょう。

(左から)ヤンネ・フェルム、エサペッカ・ラッピ

エサペッカ・ラッピ(ヤリスWRC #12号車)
ポーランド前に行なったテストは、私にとってとても意味のあるものでした。低速なサルディニアのコースとはまた違う、アクセル全開のハイスピードな道で経験を積む事ができたからです。

実際のポーランドの道は路面が少し砂状で軟らかいと思いますが、それでもテストで走った道との共通点は多いと思います。

サルディニアでは良い結果を得る事ができましたが、ポーランドの道は性質が全く異なるので同じような結果が出せるかどうかわかりませんが、全力を尽くします。

ミスのない走りを続け、トラブルなくフィニッシュを目指し、できるだけ多くの学びを得たいと思っています。

最新情報
TOYOTA GAZOO Racing WRTのSNSアカウント
Facebook:https://www.facebook.com/TOYOTAGAZOORacingWRC 
Twitter:https://www.twitter.com/TGR_WRC  (@TGR_WRC)
Instagram:https://www.instagram.com/tgr_wrc/  (@TGR_WRC)
YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCCtALHup92q5xIFb7n9UXVg