トヨタ自動車、米国インディアナ工場における新規投資および新たな雇用計画を発表


トヨタ自動車株式会社(本社:愛知県豊田市、代表取締役社長:豊田章男、以下 トヨタ)は米国現地時間の1月24日、米国・生産事業体であるToyota Motor Manufacturing, Indiana, Inc.(以下、TMMI)に於いて、ミッドサイズSUVであるハイランダーに対する米国消費者の旺盛な需要に対応するため、工場全体を刷新。この施策に約6億米ドルを投資すると発表した。

今投資により、2019年の秋より「ハイランダー」の年間生産能力を4万台増強するのに加え、設備の更新や新規導入、最新の生産技術も採用し、工場全体の競争力向上を図っていく構え。またこの投資に関わり、新たに400名程度の新規雇用を予定している。

そうしたなか先の米国東部時間の1月20日(日本時間21日・午前2時)に、首都ワシントンの連邦議会議事堂で宣誓を行い、第45代の米国大統領に就任したトランプ米大統領は、同じく米国東部時間の23日に、環太平洋連携協定(TPP)から離脱するための大統領令に遂に署名。北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉も積極的に進めていく動きを加速させている。

同じく同日、ダウ・ケミカルのアンドルー・リベリスCEOを筆頭に、大統領諮問委員会を構成する製造業幹部らが出席しての会談を消化。

この席上でトランプ大統領は、あくまでも仮定の話としながらも、米国が日本に自動車を売ることを拒否し続け、それでも我々(米国市場)に大量に自動車を売りつけるなら、それは不公平なことであり、早急に話し合わなければならないと、日米間の自動車貿易を不均衡と指摘するなど一方的な見解を述べた。

さらに午後には、労組の幹部らとの会談を実施。翌24日の午前には、同じくホワイトハウス内で、ゼネラルモーターズ・カンパニーCEOのメアリー・バーラ氏をはじめ、米国自動車業界の首脳たちと朝食会を兼ねた会談を行った。

この席上では、米自動車産業での雇用拡大を依頼するのに併せて、米国内の自動車製造を含む産業の規制緩和についての話を切り出した。結果、新大統領就任早々、自動車産業を取り巻く経済環境面は、ますます不確実な様相を見せてきている。

そんな折、今回のTMMIの生産能力増強の決定は、トヨタ自動車にとっては、これまで継続的に進めてきた車両生産の現地化推進の一環であり、今後も米国で持続的成長に取り組んでいくトヨタ自動車の姿勢を示したものなのであろう。

実際、今月上に開催した2017北米国際自動車ショーの壇上で、北米トヨタCEOのジム・レンツ氏は、「米国にある既存工場の競争力をさらに向上させるべく、今後5年で米国に100億米ドルを投じていく」と述べていた。

併せてTMMI社長のミリー・マーシャル氏は、「ハイランダーは私たちの工場に欠かせない重要なモデルであり、今後、お客様により多くのクルマをお届けできることを大変うれしく思っている。

TMMIの従業員一同が、これまで高品質なクルマづくりに取り組んできたからこそ、今回の投資を決定することができた」と語った。なおTMMIでは2016年、同工場の約20年の歴史で最多となる40万台以上の車両を生産するに至っている。