トヨタ、スノーラリーのスウェーデンに3台のヤリスWRCで参戦へ


トヨタ自動車株式会社(本社 : 愛知県豊田市、代表取締役社長 : 豊田章男、以下トヨタ)傘下のTOYOTA GAZOO Racingチームは、2月15日(木)から18日(日)にかけて開催されるFIA世界ラリー選手権(WRC)第2戦ラリー・スウェーデンに3台のヤリスを送り出す。

具体的には、ヤリ-マティ・ラトバラ/ミーカ・アンティラ組(ヤリスWRC #7号車)、オット・タナック/マルティン・ヤルヴェオヤ組(#8号車)、そしてエサペッカ・ラッピ/ヤンネ・フェルム(#9号車)での参戦となる。

今季のTOYOTA GAZOO Racingチームは、開幕戦となったラリー・モンテカルロでタナックが2位、ラトバラが3位と2名のドライバーが表彰台に上がり、幸先の良いシーズンスタートを切った。

そして今週迎える第2戦ラリー・スウェーデンは、全13戦で唯一の「フルスノーラリー」であるが、昨年はラトバラがWRC復帰後・初優勝を果たした相性の良いラウンドでもある。

そんな昨年のラリー・スウェーデンでは41台が出走し、32台が完走した。

全SSのうち、最も平均速度が高かったのはSS9で137.81km/h。もっとも低かったのはカールスタードのスーパーSSで72.69km/hだった。

昨年、トヨタは17年ぶりにWRC復帰を果たし、その2戦目となったスウェーデンにはラトバラとハンニネンが出場。ハンニネンはリタイアに終わったが、ラトバラは当時ライバルチームの選手だったタナックを僅差の2位に抑え、復帰後最初の勝利をチームにもたらした。

その成功体験を抱えてチャレンジできる同コースは、森林地帯を中心とするコースはグラベル(未舗装路)の上に雪が降り積もり、全SS(スペシャルステージ)が雪道の上で行なわれる。

このためラリーカーは金属製のスタッド(スパイク)が埋め込まれた特殊な雪道専用タイヤを装着してSSを走り切る。

SSの平均速度はWRC全戦の中で毎年トップ3に入るほどハイスピードなラリーで、高度なエアロダイナミクスと高速安定性に優れたサスペンション、それに高いエンジンパフォーマンスがクルマに求められるだろう。

ラリーは2月15日(木)夜、スウェーデンのカールスタード近郊の競馬場が舞台となるスーパーSSで競技が始まる。

そして16日(金)からの3日間はトルシュビーのサービスパークを中心にSSが行われ、16日(金)は隣国ノルウェーでもSSが消化される予定だ。

明けて17日(土)は「ハグフォシュ」や「ヴァルゴセン」といった有名なSSを中心に走行。そして最終日の18日(日)は多くの観客が集うことで知られる「リケナス」で2本のSSを行ない、サービスパークのすぐ近くを走行する「トルシュビー」のパワーステージで競技は終了する。

結果、都合4日間で19本のSSを行ない、その合計距離は314.25km。リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1400.79kmとなる。

このラウンドに向けてチーム代表のトミ・マキネン氏は、「スウェーデンは我々が得意とするラリーです。フィンランドにて全ドライバーが各2日間の事前テストを行ないました。

テストを通してさらなる改善を果たせたと思いますが、問題はライバルがどれくらい進化したかということです。きっと挑戦し甲斐がある1戦になるでしょう。

今回はどうやら十分な積雪がありそうですが、それは観客の皆さんにとって嬉しい知らせです。昨年ヤリ-マティはこのラリーで勝ち、オットはヤリ-マティと僅差の優勝争いをしました。

エサペッカは他の二人と比べると経験こそ少ないですが、雪道では常に良い走りをできています。我々は常に改善を続けており、ラリーに対して十分な自信はありますが、現実的に考えてもいます」と今季も昨年に引き続き、勝利への意欲を見せている。

ヤリ-マティ・ラトバラ、ミーカ・アンティラ

一方、ヤリスWRC #7号車に乗るヤリ-マティ・ラトバラ選手は、「スウェーデンは私のお気に入りのラリーのひとつです。そして、それほど昔のことには感じられないのですが、もう10年も前にWRC初優勝を果たした思い出のラリーでもあります。

事前のテストでは特に低速でテクニカルなセクションでの走りの改善に注力し、前進することができたと思います。

クルマは、昨年よりも確実に進化しています。とは言え、今年はきっと昨年よりも厳しい戦いになるでしょうし、チームメイトも非常に強力です。

コースには雪が多くウインターラリーらしい路面コンディションのようですが、私にとっては願ってもない状況です。きっと素晴らしい挑戦になるでしょうし、今年も優勝争いをする自信はあります。

今週末はユホ・ハンニネンと共に私が持っている昔のトヨタ・セリカで地元のスノーラリーに出場します。きっと楽しいでしょうし、スウェーデンに向けても完璧な準備になるはずです」と話す。

オット・タナック、マルティン・ヤルヴェオヤ

またヤリスWRC #8号車のステアリングを握るオット・タナック選手は、「ヤリスWRCというクルマについてまだまだ学んでいる段階ではありますが、テストで雪道を走り、なぜヤリ-マティが昨年のラリー・スウェーデンで優勝したのか、その理由が徐々に分かってきました。

今回のラリーに関しては、序盤はまず全体の流れを見ながら走る予定です。もちろん表彰台を目指して戦えるはずだと期待していますし、できれば優勝したいと思っています。

今年は雪がコース上に多く降り積もっている可能性が高そうですが、そうなると、私の2番手という出走順は理想的とはいえません。

もちろん、今後天気が変わる可能性はありますが。いずれにせよ、週末を楽しみベストを尽くして戦います。この先もいろいろあると思うので、楽しみです」とコメントした。

エサペッカ・ラッピ、ヤンネ・フェルム

加えてシーズン唯一となると考えられるスノーコース上でヤリスWRC #9号車を操ることになるエサペッカ・ラッピ選手は、「前戦ラリー・モンテカルロの最終SSで4位の座を失い、その失望感を乗り越えるのに数日かかりましたが、最終的には前向きな気持ちになることができました。

なぜなら、最終SSまではとても安定して走れていたからです。ですので、スウェーデンに対しても同じような姿勢で臨みます。事前のテストはうまく行き、2日間で400km程度を走り良いフィーリングを得ることができました。

私たちのクルマはスウェーデンに合っていると思いますが、モンテカルロとは大きく異なるタイプのラリーです。

モンテカルロでは時に勇気を出してスピードを十分に落とさなければなりません。しかし、スウェーデンでは違うアプローチが求められます。

昨年は出場していないので経験はやや不足気味ですが、雪道では常に心地よく走れるのでラリー本番が楽しみです」と語っている。

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