東芝、損害賠償請求訴訟1,084億円の現状を公表


海外機関投資家など70人が、約439億円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に提起

株式会社東芝(本社:東京都港区、代表取締役社長:綱川智)は、同社に対して会計処理問題に関する損害賠償請求訴訟が提起されていたものについて6月12日に訴状を受領。自社の会計処理問題に関連する国内・損害賠償請求訴訟の現状を公表した。

1.訴訟の概要等
東芝によると海外機関投資家等70名から東芝に対し、不適切会計により損害を被ったとして、438億9017万490円の損害賠償を請求する訴訟が2017年4月3日に東京地方裁判所に提起され、6月12日に訴状が送達された。

これを踏まえて東芝は、今後、訴訟における原告の主張に対して適切に対応していくとしている。

なお訴訟については、原告の一部から催告書を受領していたことから、2017年5月15日付で発表した「2016年度通期業績見通しに関するお知らせ」に記載の業績見通しに於いて、一部その影響額を織り込んでいると云う。

今回は、これに併せて、今送達された訴状に記載の訴額が、催告書のものから増額している等の理由により、今後合理的に見積可能な金額を2016年度に引当・計上する予定としている。

2.国内のその他の損害賠償訴訟に関して
同社が先に発表した2017年4月21日付「当社に対する損害賠償請求訴訟の提起に関するお知らせ」の通り、会計処理問題に係る損害賠償請求訴訟が、上記訴訟の他に国内で複数提起されており、各訴訟の概要は下表の通りとなる。

現時点では、2017年4月21日付で公表した21件を含め、同社に対して訴状が都合25件送達されており、これら訴訟を含めた合計額は、約1,084億円となっている。

2017年4月21日付公表の損害賠償請求訴訟の概要
No._裁判所_原告_人数_訴額
1_大阪地方裁判所_個人_1名_約5600万円
2_大阪地方裁判所_個人_45名_約1億7300万円
3_福岡地方裁判所_個人_6名_約3400 万円
4_東京地方裁判所_個人_50名_約3億円
5_大阪地方裁判所_個人_104名_約4億2000万円
6_高松地方裁判所_個人_25名_約8500万円
7_福岡地方裁判所_個人_10名_約3700万円
8_東京地方裁判所_個人_1名_約4100万円
※広島地方裁判所福山支部から移送。
9_東京地方裁判所_法人_1名_約12億6200万円
(日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社)
10_高松地方裁判所_個人_5名_約900万円
11_東京地方裁判所_個人_147名_約3億5000万円
12_東京地方裁判所_法人_1名_約120億円
(日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社)
13_福岡地方裁判所_個人_6名_約2000万円
14_大阪地方裁判所_個人_23名_約4億4000万円
15_東京地方裁判所_個人_33名_約5700万円
16_東京地方裁判所_海外機関投資家_45名_約166億5100万円
(アリアンツ・グローバルほか)
17_大阪地方裁判所_個人_1名_約3200万円
18_大阪地方裁判所_法人_1名_約_700万円
(社会福祉法人愛生会)
19_東京地方裁判所_法人_3名_約131億円
(日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社、ほか)
20_東京地方裁判所_法人_3名_約51億円
(日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社、ほか)
21_東京地方裁判所_法人_5名_約140億6500 万円(注)
(資産管理サービス信託銀行株式会社、ほか)
22_大阪地方裁判所_個人_27名_約6600万円
23_東京地方裁判所_個人_1名_約1100万円
24_東京地方裁判所_個人_2名_約8200万円
25_東京地方裁判所_法人及び個人_3名_約1億1500万円
(株式会社エース事務機、ほか)

上記 No.1から No.17 までの損害賠償請求訴訟については、2016 年度第3四半期までに必要に応じて引当計上済みであり、No.18 以下の損害賠償請求訴訟については、2017 年5月 15 日付「2016 年度通期業績見通しに関するお知らせ」の業績見通しに織込み済み。
(注)原告からの請求減縮の申立により、前回公表時から訴額が減少している。