チャイルドシートの使用率は64.2%、ただし正しい取付け率は39.3%で依然として課題が残る


JAF(一般社団法人日本自動車連盟・本部所在地:東京都港区、会長:矢代隆義、以下、JAF)と警察庁は合同で、11月3日(木・祝)~11月15日(火)までの間、自動車乗車中の6歳未満の子どもを対象に「チャイルドシートの使用状況」と「チャイルドシートの取付け状況、着座状況」調査を全国で実施し、その結果を公表した。

全国99箇所で実施したチャイルドシート使用状況を調査した結果によると、6歳未満の子ども全体の使用率は64.2%で過去最高であったものの、全国16箇所(8地域)で実施したチャイルドシート取付け状況を調査した結果によると、乳児用・幼児用のチャイルドシートが自動車に正しく(取扱説明書通りに)取付けられていたのは39.3%となっている。

また、着座状況を調査した結果においても、乳児用・幼児用・学童用のチャイルドシートに正しく着座していた子どもは58.5%で着座状況についても課題がある。各調査結果の大要は以下の通り。

1.チャイルドシート使用状況調査
※調査では、乳児用・幼児用・学童用シートを総称して「チャイルドシート」という。
(1)調査場所:全国99箇所
(2)調査対象:12,945人
(3)調査結果の大要
6歳未満の子ども全体の使用率は8年連続で上昇し、64.2%(前年比1.5ポイント増)となり、2002年の合同調査開始後、過去最高の使用率となった。
とはいえ、チャイルドシートの使用が義務付けられている6歳未満の子どものうち、約4割近くの子どもは依然としてチャイルドシートを使用していないという実態が判明している。

また、1歳未満(85.7%)と1歳から4歳(66.8%)の使用率がそれぞれ過去最高となったのに対し、5歳の使用率は39.1%で、子どもの年齢が高くなるにつれて使用率が低下する傾向は例年と変わらなかった。

2.チャイルドシート取付け状況調査
(1)調査場所 全国8地域(北海道・宮城・東京・愛知・大阪・広島・香川・福岡)
(2)調査対象 425シート
(3)調査結果
取扱説明書通り正しく取付けられていたチャイルドシートは、乳児用・幼児用シート全体で39.3%だった。

なお、ミスユースでは乳児用68.6%、幼児用73.8%がチャイルドシートを固定するための「腰ベルト(シートベルト)の締付け不足」という結果になった。

3.チャイルドシート着座状況調査
(1)調査場所 上記(2)の取付け状況調査と同様
(2)調査対象 629人
(3)調査結果
取扱説明書通り正しく着座していた子どもは、乳児用・幼児用・学童用シート全体で58.5%だった。

乳児用・幼児用シートのミスユースの多くは「ハーネス(チャイルドシートの子ども用ベルト)の高さ調節と締付けの不適正」、学童用シートは装置に対する使用時期が早すぎる「体格不適合」となっている。

チャイルドシート関連統計(警察庁 2015年データ)では、6歳未満幼児の自動車同乗者中の致死率をチャイルドシート有無別にみると、使用者の0.02%に対して、不使用者は25.7倍の0.45%であった。

JAFでは、「子どもの車内での安全を守るため、適正なチャイルドシートの使用に関する啓発活動を積極的に進めてまいります」とコメントしている。

チャイルドシート使用状況全国調査結果2016年ダウンロード:http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/data/index.htm 

はじめてのチャイルドシートクイックガイド:
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/childseat/index.htm 

ジュニアシートはもういらない?:
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/junior_seat/index.htm 

チャイルドシート使用有無別交通事故関連統計:
https://www.npa.go.jp/koutsuu/kikaku/childseat/childseat_data27.pdf