帝人、ソーラーカーでの南極点到達プロジェクトを支援


若者の挑戦へのサポートを通じて新たな価値を創造

帝人株式会社(本社:大阪市北区、社長:鈴木 純)は、欧州で計画されたソーラーカーにより南極点到達を目指すプロジェクト「Clean 2 Antarctica」(C2A)を支援する。これは、今年6月に迎える創立100周年記念プロジェクトの一環として取り組むもの。

このC2Aは、オランダの冒険家であるEdwin ter Velde(エドウィン・テル・ヴェルデ)氏と、学生や若き専門家たちにより展開されるプロジェクトで、「変革に向けた冒険」をテーマに、使用済みPETボトルやプラスチックごみなどのリサイクル素材を使用した環境配慮型のソーラーカーにより、南極点への到達に挑戦すると云う。

C2Aのメンバーは、8月27日に大型帆船でアムステルダム港から出航し、最初の寄港地であるカナリア諸島のテネリフェ島に到着する9月17日までの間に、課題として「将来、帝人が循環型社会を実現するリーダー企業となるための計画」を策定・提出することになっている。

そして、その後はアルゼンチン南部のパタゴニアに向けて航海を続け、12月にはソーラーカーで南極大陸西部のユニオン・グレーシャー・キャンプを出発し、南極点に到達する予定です。これによりC2Aは、往復で2,300kmの距離を走破することになる。

帝人はこのC2Aのプロジェクトの趣旨に賛同し、ソーラーカーの車体や構造材向けの軽量・高強度素材の提供や、タイヤの設計解析サポートなどを通じて、当プロジェクトを全面的に支援している。

帝人グループは、C2Aへの支援を通じて新たな価値の創造を図ると共に、これからの100年に向けて、未来の人々のQuality of Life向上を見据えたソリューションを創出していくと述べている。

帝人が提供した素材・製品は以下の通り

パラ系アラミド繊維「トワロン®」
鉄の6倍の強度と1/5の軽さという特性を有する「トワロン」を車体の床下に使用し、南極大陸の鋭利な氷面から受ける衝撃への耐久性向上と、車体の軽量化に貢献する。

パラ系アラミド繊維「テクノーラ®」
鉄の8倍の強度を持ち、耐衝撃性、耐疲労性、耐薬品性に優れる「テクノーラ」を、車体の補強用、およびソーラーパネルの角度などを調整するロープ用として使用している。

高機能ポリエチレンテープ「Endumax®(エンデュマックス)」
剛性、寸法安定性、耐久性に優れ、鉄の11倍の強度を持つ「Endumax」使用のロープをタイヤの周囲に巻きつけ、寸法安定性や転がり抵抗、牽引力の向上を実現している。

炭素繊維「テナックス®」
3Dプリントによって成形されたPET製の車体を高強度、高弾性の「テナックス」でラミネートすることにより、車体の強度向上や軽量化を実現した。

ポリカーボネート樹脂「パンライト®」
軽量で寸法安定性に優れ、ガラスの200倍の耐衝撃性を持つ「パンライト」に、太陽光線を遮蔽するための加工を施した樹脂グレージングを、ソーラーカーの窓に使用している。