SUBARU WRX STI NBRチャレンジ2016、VLN第3戦でクラス2位入賞


ニュルブルクリンク長距離選手権・第3戦4時間レースに出走

ニュルブルクリンク24時間レース出走を目指す「SUBARU WRX STI NBRチャレンジ2016」が、5月14日(土)にドイツ・ニュルブルクリンクにて開催されたニュルブルクリンク長距離選手権(VLN)第3戦4時間レースに出場して、クラス2位入賞を果たした。

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ドイツ並びに欧州地域に於いて、この時期のVLNレースは、2週間後に控えたニュルブルクリンク24時間レースに向けた調整を目的とし、多くの参加車両が出場する。

今年は参加台数が151台と、24時間レース本番さながらの賑やかさとなり、ピットレーンはレースマシンと各チームのメカニック達で溢れんばかりとなった。

STIは、4月下旬にマシンを送り出し、SUPER GT第2戦富士ラウンド終了後、辰己英治総監督、菅谷重雄監督をはじめ、エンジニアやメカニックはドイツに移動。現地でVLN出場のための最終準備を進めてきた。

迎えた14日の天候は朝から曇りで、冷たい風がサーキットに吹き付ける。時節は5月中旬であるが、体感温度は10度以下。多くのスタッフが厚手のジャケットの下に多くを着込んでも震える程の寒さとなった。

一方、肝心レースに於ける路面コンディションはドライ。安全のためにコースの数カ所でトップスピードを調整するレイアウト変更と路面改修があったものの、ノルドシュライフェの深い森を貫く全長25kmコースの多くのコーナーはこれまで通りだ。

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STIチームには、地元ドイツ在住ドライバーのマセール・ラッセーとティム・シュリックの2名が合流し、朝8時30分から10時まで行われた公式予選に望んだ。

SP3Tクラスには、WRX STIのほか最大ライバルのアウディTT RSが3台出場。彼らの進化も著しい中、WRX STIはこれまでのベスト記録を更新した。

今回のVLNレース参加の目的は、24時間レースに向けて調整してきたSUBARU WRX STI NBRチャレンジマシンの各部が狙い通りに機能するかの確認であり、数値的には、24時間レースの公式予選で9分を切るタイムで走れるかが、目安となっていた。

コースが昨年までの24時間レースとは異なるため、単純比較はできないものの、この日のVLN予選では8分48秒台のベストタイムを記録しており、チームにはポジティブな空気が充溢。正午の4時間にレーススタートを迎えた。

タイムを更新したにもかかわらず予選順位は4台中4位。いかにライバル勢がWRX STIをしのぐ性能発揮を目標に開発されてきたかが伺える。

しかし、各セクタータイムでは、WRX STIも安定的な速さを記録しており、4時間レース終了時にはクラス2位でチェッカーフラッグを受けることができた。総周回数は24周で、総合順位は151台中69位となった。

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レースを終えたSUBARU STI チームの菅谷重雄監督は、「今回のVLNレースは、車両の設計性能がきちんと発揮できているかのチェックが目的だったので、結果を見れば多くの収穫が得られたと実感しています。

短時間の間にエンジニアやメカニック達が全力を尽くして車両を仕上げてくれたおかげでこのような感触が得られたので、24時間レースに向けて大きな自信になりました。

ドライバーのふたりも、とてもクルマは扱いやすくバランスが良いとコメントしてくれています。しかし、ライバル勢の進化は予想以上でした。

とはいえ、私たちの強みを活かせば、レースでは良い戦いができるはずです。しっかり準備をして、2週間後の24時間レースに備えたいと思います」と語っている。

SUBARU STIチームの主力メンバーは、このままドイツに滞在し、車両の細部を仕上げていくほか、24時間レースに向けたレース装備の準備を進めていく予定。

24日火曜日には、山内英輝やカルロ・ヴァン・ダムのドライバーふたりも合流してチェックイン。車検ののち26日にはプラクティス走行が行われ、27日金曜日の公式予選を経て、28日午後3時30分。

いよいよ世界最大級のツーリングカーレース「第44回ADACチューリッヒ ニュルブルクリンク24時間耐久レース」が開幕する。