ルノー・日産・三菱自動車、22年度末のシナジー100億ユーロ超目指す


連合3社の年間シナジーが昨年の50億から57億ユーロに。三菱自動車加盟後初の通期でのシナジーを計上

ルノー・日産自動車・三菱自動車は6月13日、2017年度のアライアンスのシナジーが昨年度の50億ユーロから14%増加し、57億ユーロに達したと発表した。

ルノー、日産、三菱自動車は、世界最大の自動車アライアンスを通じて、売上を増加させ、コストを削減し、コスト回避策を実行。このシナジーについて3社は、2017年に1,060万台以上を販売し、乗用車および小型商用車(LCV)の販売台数で世界最大となったルノー・日産・三菱自動車のスケールメリットを反映していると謳っている。

アライアンスの会長兼CEOであるカルロス ゴーン氏は、「アライアンスは各メンバー企業の成長と利益に対して直接的かつポジティブな影響を与えています。

昨年度は、今回初めて通期でシナジーを得た三菱自動車を含むメンバー3社の業績向上に大きく貢献しました。

今後アライアンスが、共同工場、共通車両プラットフォーム、技術の共有などを通して機能統合を加速し、成熟市場と新興市場の両方で共にプレゼンスを高めていくことにより、今後数年でさらなるシナジーを創出できると見込んでいます。

私たちは、2022年度末までに100億ユーロ以上のシナジーを創出するという目標に向かいつづけます」と話す。

中期計画「アライアンス2022」でメンバーの3社は、計画終了時までに年間1,400万台以上の販売を見込み、そのうちの900万台を電気自動車およびBセグメント車を含む4つの共通プラットフォームで生産。全販売車両の共通パワートレインの使用率を現在の3分の1から75%まで拡大させていくと云う。

またアライアンスメンバー各社は、統合された研究・開発機能を通じてR&Dコストの削減および共同での投資を行い、各社の競争力を高めている。この例として日産と三菱自動車は、次世代軽自動車の共同開発を進めているとした。

2017年度は、アライアンス・パーチェシング・オーガニゼーション APO(旧ルノー・日産・パーチェシング・オーガニゼーション RNPO)が、部品や機械設備の調達に加え、グローバルで行われている契約交渉や、世界各拠点におけるサービスの調達を一元化することで、大幅なコスト回避・削減を実現させているとも云う。

ちなみにこうした新規シナジーには、日産販売金融子会社及びルノー子会社のアール・シー・アイ・バンクアンドサービスによる三菱自動車ブランド向け販売金融サービスの開発・提供。

ASEAN地域の日産と三菱自動車間の相互ベンチマーキング。ルノー、日産、三菱自動車による、欧州、日本およびオーストラリアでの補修部品倉庫の共同利用。

さらに生産機能では、ダットサン「redi-GO(レディー・ゴー)」やルノー「Kwid(クウィッド)」など共通プラットフォームを採用した車両生産や、日産のメキシコ・クエルナバカ工場並びにスペイン・バルセロナ工場のルノー「アラスカン」の生産によるシナジー創出が大きく貢献していると云う。

加えて日産と三菱自動車は、タイ国内で工場から販売店への完成車の共同輸送を開始し、ここでは車両輸送コストも大幅に削減させた。

最後に2017年に新設したLCV事業部門も、相互開発・生産を最大活用し、日産が開発した1トンピックアップトラックのプラットフォームをルノーとダイムラーが採用する等、コストや車両技術でシナジーを創出。

結果、アライアンスが販売するLCVはルノー、ニッサン、三菱自動車の3ブランドで合わせて18車種となり、LCV市場カバレッジを77%に拡大させたと述べている。

こうした成果についてゴーン氏は、「機能統合が深化してシナジーが増加することにより、アライアンスの長期的な持続可能性はより強固なものとなります」と話している。