準天頂衛星・みちびき3号、打ち上げ成功。来る4機体制への弾みに


三菱重工業(本社:東京都港区、代表取締役社長:宮永俊一)と宇宙航空研究開発機構(JAXA、本社:東京都調布市、理事長:奥村直樹)は2017年8月19日・午後2時29分、日本版GPS(全地球測位システム)日本版の人工衛星「みちびき」3号機を搭載したH2Aロケット35号機を鹿児島県南種子町の種子島宇宙センターから打ち上げた。

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当初は、ロケット本体の推進系統の確認のため、そもそもは8月12日だった打ち上げ日程が延期となっていた3号機だが、打ち上げられた後の28分37秒、高度414キロに到達し予定通り分離されて成功した。

これでH2Aロケットは29機連続の打ち上げ記録を、またひとつ積み上げた。

なお来年春に「みちびき」の運用が始まる予定だ。ちなみに、みちびき3号衛星は、みちびき1、2号機が上空を楕円(だえん)軌道で飛行するのに対して赤道上空に留まる静止衛星となる。

続く4号機が打ち上げられた後の2018年度以降、本格運用が始後される見込みで、これにより、現在のGPSの位置情報の誤差が10メートル余りであった精度が、一気に数センチにまで縮まる。

結果、災害時の人命救助、建設機械の無人運用、農業分野に於ける管理技術、そして自動車の自動運転システムの加速など、社会の広域分野で、これまでは不可能だった新サービスが広域分野で開始されるようになる。

「みちびき3号機」の打ち上げ成功について、内閣府特命担当大臣(宇宙政策)の松山政司氏は、「本日、準天頂衛星システム『みちびき3号機』の、我が国のH-IIAロケット35号機による打ち上げが成功しました。現在、衛星は所定の軌道に向けて順調に飛行しております。

2回の打ち上げ延期がありましたが、6月の『2号機』に引き続き、今回の『3号機』の打ち上げ成功により、準天頂衛星システムの4機体制確立に向け、更なる一歩を踏み出すことができました。

準天頂衛星システムによる各種測位サービスを多くの方が円滑に利用できるよう、引き続き関係者と連携してまいります。

さらに、宇宙政策を担当する内閣府特命担当大臣として、準天頂衛星システムを含む宇宙開発利用の拡大に向けて、引き続き宇宙基本計画を推進してまいります」との談話を発表している。

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