米ラグナ・セカでポルシェ レンシュポルト・リユニオンV開催


去る9月26日(土)、27日(日)の2日間。ポルシェAG(本社:ドイツ、シュトゥットガルト 社長:マティアス・ミューラー)のモータースポーツヒストリーを堪能するイベント、「ポルシェ レンシュポルト・リユニオンV」が、カリフォルニア州ラグナ・セカ・レースウェイにおいて開催された。

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この週末のリユニオン会場では、およそ50,000人の観客がモントレー近郊にあるラグナ・セカ・レースウェイに集まり、ポルシェのヒストリックレーシングカーと、数々の伝説を生みだしたポルシェ レーシングドライバーによる世界最大のイベントを愉しんだ。

11人のポルシェによるル・マン ウィナー自らの体験を語る

当日は、かつてポルシェを駆ってル・マンを制した11人のドライバーたちが登場。

彼等は一様に観客に求められるまま、忙しくサインをしながら、登壇して栄光の日々を語り、ファンからの数々の質問に答えた。

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その11人は、最年少が25歳のアール・バンバーで、最年長が1970年のロング・ディスタンス・クラシックで優勝を飾り、今年2月23日に87歳の誕生日を迎えたハンス・ヘルマンまでと多彩な顔ぶれが揃った。

他にル・マン ウィナーとして、リチャード・アトウッド(1970年)、ジャッキー・イクス(1976年、77年、81年、82年)、ジィズ・ヴァン・レネップ(1976年)、ハーリー・ヘイウッド(1977年、83年、94年)、ユルゲン・バルト(1977年)、デレク・ベル(1981年、82年、86年、87年)、ヴァーン・シュパン(1983年)、ハンス=ヨアヒム・シュトゥック(1986年、87年)、そして今年は、アール・バンバーとともに、ル・マン優勝を飾ったニック・タンディも来場した。

ハンス・ヘルマン:若いレーシングドライバーは過去を知る必要があります

特にレンシュポルト・リユニオンの初日には、ハンス・ヘルマンとジャッキー・イクスが顔を合わせ、この時、会場の興奮は最高潮に達した。

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ポルシェ初のル・マン覇者(1970年にリチャード・アトウッドとともに917Kを駆る)は、「大勢のレジェンド・ドライバーたちと再会して、昔の思い出を語るのは懐かしくもあり、感慨深いことです。

しかしこれは、昔話に花を咲かせるということではなく、過去の思い出を、未来に引き継ぐことはとても重要なのです。

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若いドライバーたちは、ステアリングホイールがまだ木製で、今日のようなコンピューターがなかった時代のことを知る必要があると思います」と語った。

ハンス=ヨアヒム・シュトゥック談:どれもすばらしい車です

レンシュポルト・リユニオンにおいて、ハンス=ヨアヒム・シュトゥックのお気に入りの車は、これまでラグナ・セカ・レースウェイに登場」する機会に恵まれなかった数台のうちの1台だと話す。

ちなみに残念なことに、彼が1986年のセブリング12時間レースでボブ・アキン、ジョー・ガートナーとともに優勝を飾ったポルシェ962は、ちょうどリビルドされている最中だった。

「あの優勝は、私のキャリアのマイルスト-ンのひとつになりました」と述べ、「皆さんがここでご覧になっているクルマたちは、どれも素晴らしい過去の遺産です。どれも抜群のコンディションですが、とりわけ一番嬉しいのは、私が乗ったマシンが多数あることですね」とコメントした。

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そんな彼が、レンシュポルト・リユニオンに参加したのは今回が初めてのこと。「これまでも幾度となく招待を頂いていましたが、常に他のレースと重なっていて、訪問する機会がなかったのです。

けれど、このイベントが、こんなに素晴らしいことを知っていれば、他の約束をすべてキャンセルして、ここに来ていました」と目を細めながら語った。

ハーリー・ヘイウッド談:きっとポルシェ ファンになるでしょう

一方、ハーリー・ヘイウッドは、2001年~2015年の5回のすべてのレンシュポルト・リユニオンに参加したポルシェのレースレジェンドである。

そんな彼を以てしても、「今回のイベント内容は、これまでで最高です。今週末ここに集められたような、これほどたくさんの見事なクルマ達を見たことがありません」と、ポルシェを駆りル・マンで3回、デイトナ24時間レースで5回の優勝を飾った米国出身のヘイウッドは言う。

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そして「特に、ポルシェの魅力を共有するためにお子様と一緒にいらっしゃった大勢の方を見て嬉しく思います。お子様たちは、今後きっと、ポルシェ ファンになるに違いありませんから」と言う。そんな彼に好きな車を尋ねると、彼はすぐさま顔をしかめた。

「それは父親に一番好きな子供の名前を聞くようなものです。私はすべての車に特別な愛着をもっています」と言って、しばらく考えた後、「ジャッキー・イクス、ユルゲン・バルト、そして私が1977年のル・マンで優勝を飾ったポルシェ936が大好きです。ル・マン初優勝車は、心の中で、常に特別な場所に収められているクルマなのです」と述べた。

ポルシェRSスパイダーがマーク・ダナヒューの記憶を呼び起こす

2007年に製造されたポルシェRSスパイダーは、今年のレンシュポルト・リユニオンでもレースデビューを祝った。

過去37年間、米国レースシーンの有名人のひとりであるケビン・ジャネットは嬉しさ一杯に、プライベートコレクターから、わずか3週間前に、このレーシングカーを入手することに成功したという。

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一方、ラグナ・セカ・レースウェイにおいては、デビッド・ダナヒューが、伝説の父、マーク・ダナヒューの記憶を呼び起こすSunocoカラーを付けたこのスポーツプロトタイプのステアリングを握った。

デビッドは2009年に、ライリー・ポルシェを駆りデイトナで優勝を飾っている。彼の0.167秒のアドバンテージは、デイトナ24時間レース史上最も僅差のゴールとなり、歴史に刻まれている。

919ハイブリッドと911 RSRがデモ走行

ポルシェLMPパイロットのマーク・ウェバー、ブレンドン・ハートレー、およびニール・ジャニは、レンシュポルト・リユニオンに初訪問した。彼等には報道陣のインタビューや、長い列を作ってサインを待つファンが殺到した。

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彼等のドライブによるラグナ・セカ・レースウェイで行われたポルシェ919ハイブリッドによる初めてのデモ走行では、50,000人以上の観客がこの新たなル・マン ウィナーの走る姿を眺めた。

またラグナ・セカに参加したポルシェのGTドライバーでは、アール・バンバー、イェルク・ベルクマイスター、ミカエル・クリステンセン、ウォルフ・ヘンツラー、パトリック・ロング、フレデリック・マコヴィッキの他、ニック・タンディも来訪した。

アール・バンバー、自身の夢のクルマ、ポルシェGT1を発見

かつてポルシェGT1 1998がル・マン24時間レースでポルシェに16回目の優勝をもたらした時、7歳のアール・バンバーは、カーティングキャリアを開始。

「当時、いつの日かル・マン24時間レースでこのような車に乗ることを夢見ていました」と、ニュージランド出身の彼は話る。「でも僕がポルシェの次のル・マンウイナーのひとりになるとは思ってもみませんでした」しかし、それは本物の夢となって実現した。

ポルシェが今年、世界で最も有名な耐久レースで17回目の優勝を飾ったとき、ニック・タンディ、ニコ・ヒュルケンベルクとともにポルシェ919ハイブリッドを駆るバンバーは優勝ドライバーのひとりとなったのである。

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そんな彼は、レンシュポルト・リユニオンの会場を歩き回り、かつて憧れたGT1をポルシェ ヒストリックレーシングカーの中に見つけ出した。

「僕はいつの日かポルシェ ヒストリックカーを購入したいと考えています。でもその前に、もっと多くのレースに出場して、今日の訪れているレジェンドドライバー達を目指す必要がありますね」と語っていた。