NVIDIAと独・ボッシュ、次世代AIによる自動運転コンピューター開発で協力


世界最大の自動車部品メーカーである独・ボッシュこと、ロバート・ボッシュGmbH(本社:シュトゥットガルト・ゲーリンゲン、代表取締役社長:Dr.rer.nat.Volkmar Denner <フォルクマル・デナー>、以下、ボッシュ)とNVIDIA Corporation(エヌビディアコーポレーション・本社:米国カリフォルニア州サンタクララ、社長兼 CEO : ジェンスン・フアン)は量産車向け人工知能自動運転システムの開発に向けて協業する。

ロバート・ボッシュGmbH CEOのフォルクマル・デナー (Volkmar Denner) 博士は、ベルリンで開催されたBosch Groupの年次 IoT カンファレンス「Bosch Connected World」の基調講演で、この協業について明らかにした。

NVIDIA< http://nvidianews.nvidia.com/ >は、1993年にわずか3名の技術者で創業して以降、ビジュアル・コンピューティングの世界で、特にPCビデオカード市場をリードしてきたITC企業であり、今や社員数1万人前後を配する世界大企業となった。

そもそもはコンシューマ向けデバイスのGPU(Graphics Processing Unit・グラフィックス プロセッシング ユニット)開発で名を馳せた企業で、NVIDIAが1999年に開発したGPUは、PCゲーム市場の成長に拍車を掛けた。

その後、現代のコンピューターグラフィックスを再定義し、並列コンピューティングを一変させ、最近ではGPUディープラーニングが最新のAI、つまりコンピューティングの新時代の火付け役となり、世界を認知して理解できるコンピュータ・ロボット・自動運転車の脳の役割をGPUが果たすまでになっている。

このため現在は、ゲーミング、自動車、データセンターおよびプロフェショナル・ビジュアリゼーションの分野で特化したプラットフォームを提供し続けている。

今回、このNVIDIAとロバート・ボッシュGmbHは、NVIDIAのディープラーニング ソフトウェア及びハードウェアをベースにして、複雑な運転に関するトレーニング・自律走行・無線ネットワークを介した機能更新を可能にする新たなAI自動運転車コンピューターの開発に着手する。

この取り組みについて、NVIDIA創設者 兼 CEOのジェンスン・フアン (Jen-Hsun Huang) 氏は、「自動運転車は、ディープラーニングと人工知能に関する最近のブレークスルーによって最終的に解決可能な課題です。

今回、ボッシュ側ではDRIVE PX AI カー コンピューターを使用して、自律走行車の量産に向けた車載グレードのシステムの開発を進めます。

こうした両社が力を合わせることで、自律走行車によってモビリティーが安全になるとともに、すべての人々の手に届くようになる未来を実現します」と語った。

対してロバート・ボッシュGmbH CEOのフォルクマル・デナー 博士は、「自動運転によって道路の安全性が高まります。

人工知能はその実現の鍵を握ります。私たちは自動車を賢くしたいと考えています」とコメントした。

今後、ボッシュのAIカー コンピューター システムは、次期AIカー スーパーチップに加え、レベル4の自律走行実現に向けてデザインされた世界最初のシングルチップ プロセッサーであるXavierを搭載した次世代 NVIDIA DRIVE™ PX テクノロジーをベースにする予定と云う。

これについてNVIDIAのジェンスン・フアン氏は、「自動運転車が実行しなければならないタスクに必要な大量の計算を処理するには、Xavierレベルの性能が必要です。

それらのタスクには、自車の運転状態や安全な進路の計算だけでなく、周辺環境を検知するためのディープ ニューラルネットの実行、3D 環境の認識、HD マップ上での自己位置特定、他の物体の挙動および位置の予測も含まれます」とその開発概要について述べていた。