日産自動車の中国合弁会社、東風汽車有限公司が新中期計画を発表


日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:西川 廣人)傘下の中国での合弁会社、東風汽車有限公司(本社:中国湖北省武漢市、総裁:関潤、以下DFL)は2月5日、2022年までに年間販売台数を100万台以上増の260万台とし、売上は3,000億人民元を達成する新中期計画を発表した。

当地に於いて、日産自動車と中国の東風汽車グループが50%ずつを保持した合弁事業体であるDFLは、中国市場で合弁形態の自動車メーカー中のトップ3を占め、今後も持続可能なブランドであり続けることを目指すとしている。

なお同社が「DFL TRIPLE ONE PLAN」と名付けた新中期計画は、過去最高の販売台数である2017年の152万台という数値をベースに組み立てられている。

なおこの2017年の成果は、乗用車市場での「シルフィシリーズ」、「エクストレイル」、「キャシュカイ」と「ティアナ」、「ヴェヌーシアのT90とD60」、加えて「インフィニティのQ50LとQX50」、そして小型商用車市場に於ける「ナバラ」、「東風ドゥリカ」、「キャプテン」の売上に支えられて得たとしている。

これらの実績について東風汽車有限公司総裁の関氏は、「我々は過去7年の間に、当社は売上と収益を増加させる野心的なプランに着手。

大規模な投資、ダイナミックな労働力、そしてローカルブランドのヴェヌーシアの開発と、成長著しい中国市場へ32もの新しいモデルの投入することによってこの成果を出してきました。

東風汽車有限公司が合弁会社として設立された2003年以降、過去15年間に1,500万台以上の車両を製造し、お客さまにお届けしてきましたが、そんな当社の次の5年に対する取り組みもこれまで同様、野心的なものです。

それは、私たちが中国で最も尊敬される企業になること。当地でインテリジェントモビリティ技術を背景に第1位の自動車メーカーとなることを目指しています。

我々が掲げた『DFL TRIPLE ONE PLAN』は、日産自動車の中期計画『Nissan M.O.V.E to 2022』と、東風汽車グループの『2020 PLAN』とも完全に連動しています。

今後も持続可能な成長と、次の5年間に販売台数を100万台以上増加させることに注力し、インテリジェントモビリティの発展をリードすることを目指します」と語っている。

東風汽車有限公司では、これを踏まえ、下記の3つのキーワードを掲げている。

その第1の戦略は、「高級車から軽商用車(LCV)まで、40以上の車種を投入し成長をサポートする」として、ヴェヌーシアとインフィニティの販売台数を3倍に増加させること。また小型商用車、ピックアップトラック、フレームSUVの輸出を2倍に増加させる。

第2の戦略は、「インテリジェントモビリティテクノロジーの発展をリード」させていくとしており、同社の全てのブランドに於いて、Advance Driver Assistance System(ADAS)、ProPILOT、e-parkingなどのコネクティビティ技術を導入すること。

より具体的には中国政府の規制の緩和に伴い、2019年から中国でレベル1とレベル2の自動運転技術を導入。特にヴェヌーシアでコネクティビティ技術を先導し、その後、順次、他ブランドへも展開していく構えだと云う。

第3の戦略は「電動化」で、全ブランド20以上の電動化モデル(ゼロエミッションとe-Power)を投入する予定だ。

具体的には2018年と2019年に日産、ヴェヌーシア、東風で6車種の電気自動車を投入。これにより全販売台数のうち、2022年には30%を電動化車両が占めることを目指す。

またインフィニティは2022年までに商品ラインナップの25%を電動化した後、2025年までに全車種を電動化。中国に業界最先端のe-component技術を導入し、国産化も推進するとしている。

これらの諸方針を踏まえて先の関氏は、「今後、未来に向けてゼロエミッション技術、e-Power、インテリジェントドライビングそしてインテリジェントインテグレーションの力を統合していきます。

これにより当社は競争が激しく急速に変化する中国の自動車産業においてポジショニングの維持に注力。この新中期計画を、変わりゆく業界の情勢を切り抜けるためのロードマップとしていきます。

またコーポレートガバナンスと人材育成などの企業の社会的責任へのコミットメントを着実に踏んでいくことで、DFLは中国で最も信頼される会社となるべく、一層の努力を続けていきます」と結んでいる。

なおDFLは、持続可能な成長を支えていくために、次の5年間で、製造、商品、研究開発、人材、CSRと環境の分野に600億人民元(約1兆円)の投資を予定しているとしている。