日産自動車、2018~2019年シーズンからフォーミュラEに日系メーカーとして初参戦へ


日産自動車株式会社(本社:神奈川県横浜市西区、社長:西川 廣人)は10月25日、東京モーターショーの報道会見に於いて、来る2018年より日系自動車メーカーとして初めて、電気自動車フォーミュラカーレース「FIAフォーミュラE選手権」に参戦すると発表した。

※プレスブリーフィングは、動画開始15分後頃より開始されているので注意されたい(実際の尺は15分間)

FIAフォーミュラE選手権は2014年に開幕。自動車メーカー単体だけなく、素材・電動システムメーカーによる複合チームなど、様々な体勢での参画があり、世界各地の大都市に設置されたストーリトサーキットで、純粋に100%電動パワートレインの性能を競い合うグローバルレースである。

このF1と同じく伝統のオープンホイールの単座マシンで挑むフォーミュラEは、今季より欧州メーカーの参入が相次ぎ、そのレース自体の規模のみならず、注目度や重要性も拡大の一途を見せている。

日産は、このカテゴリに参戦することで、世界に於ける電動車の独自ブランド形成に挑戦していく。

日産のフォーミュラE参戦に関しては、日産自動車自体、世界が認める電動車の大手生産メーカーとして受け止められており、この参戦によってさらに電動車のレーシングシーンの価値をさらに押し上げることにも繫がるだろう。

実際、日産リーフの初代モデルは、手頃な価格のゼロ・エミッションモビリティの草分けとして世界に先駆けて2010年に発売。

同車は、グローバルで累計28万台以上を販売し、世界で最も売れている電気自動車となっている。結果、この排出ガスを一切出さない同車の累計走行距離は35億キロを超えている。

日産のグローバルマーケティング&セールス・ゼロエミッションビークル・バッテリービジネスMC-Japan/A&O (日本・アジア・オセアニア事業)担当副社長のダニエレ スキラッチは氏は、「力強い加速や高い操縦性など電気自動車ならではの運転する楽しさを究極の形で伝えるため、日産は世界初のEVレースであるフォーミュラE選手権に参戦します。

長いモータースポーツの歴史を持つ日産が日系自動車メーカーとして初めて、同選手権に参加することは、『ニッサン インテリジェント モビリティ』を次世代のレースファンに伝えるグローバルプラットフォームを得たということです。

また日産のDNAには、電動モビリティの技術革新における豊富な経験だけでなく、モータースポーツにおける長い成功の歴史があります。

この2つの重要な要素を持つフォーミュラEに参戦することは、当社にとって自然なことです」と語った。

写真は前年度の覇者となったアウディ。今季は同じVWグループ傘下のポルシェも耐久選手権から撤退して、同シリーズ参戦を果たす。

一方でこの発表を受けてフォーミュラEの創設者兼CEOのアレハンドロ アガグ氏は、「日産の選手権への参加は、フォーミュラEにとって記念すべきことです。

なぜならば、フォーミュラEは新しいメンバーを得ると同時に、日系メーカーの初参戦により、電動化がグローバルな流れであることを証明するからです。

日本は最新技術開発の最前線であると共に、フォーミュラEのファンがたくさんいます。

持続可能なモビリティへの変化は、進行中であり、これからも続くでしょう。私は、日産ロゴを付けたマシンを第5シーズンから見ることを楽しみにしています」と語っている。

日産は、アライアンスパートナーのルノーと共に、今までの経験や開発されたものを活用しながら、自社の競争力を高めるためにルノー、三菱自動車と協力しつつ、シナジーの最大化を目指す構えだ。

なお実際の参戦時期は、新たなシャシーとバッテリーが導入される予定の2018年末に開幕する第5シーズンよりの参戦となる見込みだ。

第4シーズンは今年12月から来年7月まで、香港、ベルリン、パリ、ニューヨーク、モントリオールなど世界各地の主要都市で開催されるが、日産のフォーミュラE参戦に関する詳細は、第5シーズンの開幕目前に於いて発表されることになっている。