新型Audi A8は、48Vフルアクティブサスペンション搭載に


アウディAG(本社:ドイツ・バイエルン州インゴルシュタット、取締役会長兼CEO:ルパート・シュタートラー、以下アウディ)がリリースを予定している新型Audi A8は、乗員の幅広いニーズに応えるラグジュアリーセダンとなるべく、48ボルト駆動のアクティブサスペンションが搭載されている。

この新型Audi A8は、来る7月11日にバルセロナで開催される「アウディサミット」でワールドデビューを飾る予定。その性能は、快適性重視の顧客にとって、ショーファードリブンの大型セダンに相応しくスムーズな乗り心地を提供。

その一方で、運転好きのオーナードライバーは、スポーツカーのようなダイナミックなドライビング性能を満喫することも可能になると云う。

このような柔軟性がどのようにして得られたかというと、それは、今回初めて同車の主電源に採用された48ボルトシステムによって、開発されたアクティブサスペンションによるものだと云う。

今回、新型Audi A8のために新たに開発されたアクティブサスペンションは、完全アクティブ制御のエレクトロメカニカル サスペンションシステムであり、迫り来る路面状況に合わせ、個々のホイールを独立制御することで、道路の状況に的確に対応する。

そのサスペンション性能に応えるべく、各ホイールには、48ボルトの主電源システムにより駆動される電気モーターが備わっている。

モーターには、複数のギヤ、チタン製トーションバーを内蔵したロータリーチューブ、カップリングロッドを介してサスペンションに1,100Nmの力を加えるレバーなどが組み合わされる。

これらがフロントカメラからのデータをもとに、道路の前方にある凹凸を検知して、事前にアクティブサスペンションを調整。

あらかじめ車両にマッピングされた事前予測可能とするプレビュー機能を役立てることで、クルマが前方の凹凸に到達する前にアクチュエーターに適切なストローク幅を伝えて、積極的にサスペンションを制御するという仕組みだ。

このようにサスペンションが事前に、適切なタイミングで対応することにより、事実上、揺れや振動の解消を目指すことができるとする。

なおこの複雑なプロセスに要する時間は、わずか千分の数秒に過ぎないのだと同社では述べている。

走行中カメラからは路面情報が1秒間に18回も送信される。エレクトロニック シャシープラットフォーム(ECP)がこの送信されてきた路面情報を分析処理して、ほぼリアルタイムで、すべてのサスペンションコンポーネントを正確にコントロールしていく。

新型Audi A8用に最適なチューンが施されたエアサスペンションとこの革新的なサスペンションコンセプトの組み合わせにより、まったく新しいドライビング体験が実現する。

従って冒頭の通りで新型Audi A8は、非常に優れた乗り心地を提供する一方で、スポーティな走りを好むドライバーの要求にも応えるラグジュアリーセダンになることもできるのである。

他にも、アクティブサスペンションの目に見える効果としては、例えば、コーナリング中のロールや、制動および加速時のピッチングが徹底して抑え込まれるところにも現れるようになる。

新型Audi A8をスポーティに走らせても、ドライバーは車両を完璧にコントロール下に置くことができ、リヤシートの乗員がその走りの犠牲になることもない。

また、ダイナミックステアリングと後輪ステアリングを組み合わせたダイナミック オールホイールステアリング(4輪操舵)により、敏捷性と安定性という、相反する目標も同時に達成すると云う。

この時のステアリング特性は、スポーティかつダイレクトな設定とされており、その一方で、高いレベルの操縦安定性も確保する。

ちなみにステアリングフィールも、快適性重視からフィードバックを高めた設定まで、幅広い調整が可能。なお車両の回転半径も、Audi A4の数値よりも小さくなっている。

さらに、アウディプレセンス360°、セーフティシステムとの組み合わせで、新型Audi A8のアクティブサスペンションは、パッシブセーフティに対しても、その完成度を新たなレベルに引き上げた。

その仕組みは、セントラル ドライバーアシスタンス コントローラー(zFAS)にネットワークされた多数のセンサーの働きにより、システムが万が一の衝突の可能性をいち早く検知。

25km/h以上での側面衝突が避けられないと判断された場合には、サスペンションのアクチュエーターを稼働させて、0.5秒以内に衝撃を受ける側のボディを最大80mm持ち上げる。

その結果、サイドシルやフロアの構造体など、車体のより強度の高い部分で衝突の衝撃を受けられるようになるのだ。結果、ボディを持ち上げない場合と比べて、乗員にかかる衝撃の負荷を最大50%低減させることができるとしている。