三菱ふそう、大型トラックの新モデル「TP」を世界に先駆けてカタールで発売


FUSO「TP」は、現地ニーズである重量物の積載を満たすよう設計された、FUSOの製品ラインアップの中で高出力の超大型車両

三菱ふそうトラック・バス株式会社(本社:神奈川県川崎市、代表取締役社長・CEO:マーク・リストセーヤ、以下 MFTBC)は、2017年5月23日、ダイムラー・トラック・アジア(DTA)傘下のDaimler India Commercial Vehicles Pvt. Ltd.(DICV)と協力し、高出力の超大型トラック「TP」を世界に先駆け、中東のカタールで販売した。

ちなみに同車両は中型・大型トラックの現地販売会社であるAl Wajba Establishmentを通じて販売されたが、この新型「TP」投入を決めたカタールは、アラビア半島東部のペルシア湾中央に面した半島で、全土の大半を荒野と砂漠が占める厳しい環境下にある。

そんな当地で、同社は2015年に大型車「FJ」を導入し、2016年には、前年比シェア10%増の50.4%となり、日系メーカートップとなり、新型車両が受け入れられていることを証明した。

車両の仕様は、連結車両総重量(GCW)50トンの「TP 2040Sトラクター」は、6気筒・400馬力・11.97リットルの新しいエンジン「OM457」を搭載。12段マニュアルトランスミッションに加え、リヤアクスル比の最適化を図ったハブリダクションを採用した。さらに、ベッドスペース付きの大きなキャビンも備えている。

ダイムラーの技術プラットフォームをベースとして開発した同車両は、高い積載量と優れた燃費性能を両立し、カタールのコンテナ輸送業者や建設業者の要望に応えるよう設計された。

また今導入の大型車両「TP」は、FUSOブランドで最も高いエンジン出力を誇るトラクターとなる。今回より、同車両がラインナップに加わることで、三菱ふそうの製品群は拡大される。

このため今後2022年のワールドカップ開催に合わせたインフラ整備や、建設需要の増加が見込まれる同国の需要を照準に、同社はシェアの拡大と新規顧客獲得を狙っている。

なお同社によると、新型FUSOのラインアップは、中東地域に於いては、UAE(アラブ首長国連邦)に2015年11月の販売を皮切りに順次車両投入を続けており、耐久性と燃費性能で高評価を得ていると云う。

今車両販売の背景は、中東地域で2015年11月にダイムラーの商用車部門が中東・北アフリカ地域(MENA)のマーケットの販売・カスタマーサービスを支援するリージョナル・センター(RC)をUAEのドバイに開設したことにある。カタールは、同RCが管轄する19カ国の1つとなっている。

TPトラクター 4×2の主な仕様は以下の通り
型式:TPY1SFR2R
乗車定員:2(1+1)人
エンジン型式:OM457 LA-E3 (11.970L)
最大出力:400馬力/1,900rpm
最大トルク:2,000Nm/1,100rpm
トランスミッション:G330 – 12段MT
燃料タンク容量:455L

ダイムラー・トラック・アジア(DTA)は、80年以上の歴史を誇る三菱ふそうトラック・バス株式会社と、インド市場で躍進的な成長を続ける新会社ダイムラー・インディア・コマーシャル・ビークルズ社が共同で事業を行う組織となっている。

DTAは、製品開発、生産、輸出、調達、研究活動を共同で行い、車両供給地域の顧客層にとって価値ある製品とサービスを提供する戦略的なビジネスモデルとして事業規模の拡大を進めている。