国土交通省、圏央道(桶川北本IC~白岡菖蒲IC)開通によるストック効果を発表


先の10月31日(土)に、圏央道(桶川北本IC~白岡菖蒲IC)が開通し、圏央道により湘南から東北が繫がった。同区間が開通したことで、埼玉県内の圏央道は全区間が開通した。

結果、圏央道により東北自動車道、関越自動車道、中央自動車道、東名高速道路が結ばれた。これを踏まえ、国土交通省は、圏央道埼玉県区間全線開通1ヶ月後を踏まえ、この圏央道についてのストック効果を発表している。

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※ストック効果:整備された社会資本が機能することによって、継続的に中長期的に得られる効果である。

開通に伴い生まれた主なストック効果は以下の通り。

(1)都心の渋滞を避けて目的地へ到達可能となった。
– 圏央道内側を通過していた[東名高速⇔東北道]の交通が9割⇒3割と大幅に減少した。
– 首都高速中央環状線経由の交通量 4,300台/日から、2,300台/日に減少した。
– 交通量が減少した首都高速中央環状線(大橋JCT~江北JCT)の渋滞が約2割減少した。
(2)関東近郊の観光地がより身近になった。
– 鬼怒川温泉では台風の影響で宿泊客数が前年比5%減少したが、神奈川県内からの宿泊客数が2割増加した。
(3)沿線に立地する企業の生産性の向上に寄与している。
– 移動時間が短縮し、配送が効率化するため生産性の向上に繋がるとの期待が生まれている。具体的には、標準配送範囲が約1.2倍拡大(半径80km→100km)したとの声が挙がっている。
(4)今回開通区間の交通量
– 圏央道(桶川加納IC~白岡菖蒲IC):平均32,600台/日となっている。

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ちなみに首都圏中央連絡自動車道(圏央道)は、首都圏の道路交通の円滑化、沿線都市間の連絡強 化等を目的とした、都心から半径およそ40~60kmの位置に計画されている総延長約 300kmの環状の自動車専用道路である。

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着工中、圏央道・埼玉県内沿線では、国内希少野生動植物に指定されているオオタカの生息が確認されたことから、桶川北本IC~白岡菖蒲IC間の沿線に於いて、一時、工事が中断するなどの出来事もあったが、繁殖に影響する敏感な時期を過ぎたと判断された夏を迎えて以降再開され、平成27年10月31日(土)、桶川北本IC ~白岡菖蒲IC間、延長約10.8kmが開通したことにより、圏央道埼玉県区間は全線開通となった。

圏央道埼玉県区間は昭和60年度、都県境~関越道間の事業化に始ま り、約30年の年月を経て全線開通を迎えたことになる。

今回の開通により、圏央道 は、現在までに約241kmが開通。さらに、圏央道(境古河IC~つくば中央IC間) 平成28年度開通予定であり、今後将来的には東北道から常磐道が圏央道でつながる予定としている。