ケーヒン、HV車用の中核部品IPMを量産開始


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ハイブリッド車用新型パワーコントロールユニットの中核部品であるインテリジェントパワーモジュールを量産

株式会社ケーヒン(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:田内常夫)は、「第44回東京モーターショー2015」で初公開したばかりのハイブリッド車の発電用及び走行用モーターをコントロールする自社開発の新型パワーコントロールユニット(PCU)の中核部品、インテリジェントパワーモジュール(IPM)の量産を11月20日から宮城第二製作所で開始し、ラインオフ式を実施した。

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これまで同社では、排出ガスのクリーン化や燃費向上のニーズに合わせた自動車の電動化に対し、1999年にハイブリッド車用電子制御ユニットの量産を開始し、その後も研究開発を続けてきた。

PCUは、昇圧コンバーター、モーターを駆動・回生するインバーターなどで構成され、その中核部品であるIPMにおいては、IGBT※1や還流ダイオード※2などのパワー半導体の低損失と高耐熱、小型化を最適な冷却構造で実現。今回のPCUは業界トップクラスの出力密度を達成している。

その製造工程は、宮城第二製作所に同社で初となるクラス10,000のクリーンルームを設置し、革新的なベアチップ実装ラインや高度な解析技術を取り入れた生産ラインを新たに導入。

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従来から開発しているハイブリッド車用電子制御ユニットをはじめ、アルミケースについても宮城第二製作所で内製し、PCUの最終組み立てを狭山工場で行うなど、これまでのハイブリッド車向け製品の技術領域を大きく拡大させた。

今回のPCUおよびIPMは、先進環境製品としてハイブリッド車だけでなく、電気自動車をはじめ次世代のモビリティとして期待される燃料電池電気自動車にも技術的に応用が可能で、今後の電動化の進展に大きく貢献できる製品となる。

なお、今回のPCUおよびIPMの生産能力としては、今年度末で日産200台、来年度末で日産400台を計画している。また、宮城第二製作所および狭山工場において今年度末で約130名の雇用を創出し、来年度末では約200名まで拡大する見込みという。

※IGBT:絶縁ゲート型バイポーラ・トランジスタの略称。電気エネルギーを制御するために使われる半導体スイッチング素子の1つ
※還流ダイオード:モーターを駆動する際に生じる負荷電流を還流させ、IGBTを保護する目的で使用されるダイオード。