JFEスチール、低CO2川崎ブランドに認定


JFE(ジェイ エフ イー)スチール株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:柿木厚司)は、川崎市(市長:福田紀彦)が制定している「低CO2川崎ブランド」で「環境調和型溶銑予備処理プロセス」が本ブランドとして認定された。

これにより2月1日に川崎市中原区のとどろきアリーナで開催された「川崎国際環境技術展2018」内の認定結果発表会で、証書が授与された。

この「低CO2川崎ブランド」とは、ライフサイクル全体でのCO2の削減を促すことを趣旨として、川崎市内で製造または研究開発された製品・技術の中から、特にCO2排出削減に寄与するものを川崎市が認定する制度。

同社は、この受賞にあたって「これからも世界最高レベルのエネルギー効率を実現し、更なる省資源・省エネルギーに資する生産プロセスや商品の開発を通じて、地球環境に貢献してまいります」とコメントしている。

ちなみに認定された技術・製品は、「環境調和型溶銑予備処理プロセス」で、今回、製鋼工場の溶銑予備処理(※)プロセスの中で「脱硫剤投射法」を開発した。

この「脱硫剤投射法」とは、新たに投射用のランス(ノズル)を設置し、高速の搬送ガスと共に脱硫剤を溶銑上に吹き付ける方法である。

川崎市の福田紀彦市長(左)と当社東日本製鉄所(京浜地区)石毛俊朗副所長

これにより、脱硫剤を直径1mm以下の微細の状態のまま直接溶銑内に添加でき、凝集成長を抑制することで、脱硫剤と溶銑との反応促進に繋がり、脱硫効率が1.3倍向上することで、CO2排出を削減することができるようになった。

(※)溶銑予備処理とは、高炉から出銑された溶銑に含まれる珪素や硫黄、リンなどの不純物を予め除去(脱珪・脱硫・脱リン精錬)するプロセスで、副原料の使用量削減や歩留り向上を目的としている。機械撹拌式銑脱硫装置は、インペラーとよばれる撹拌羽根で溶銑を撹拌しながら、添加した脱硫剤を溶銑内に巻込ませ、脱硫精錬を行う設備。