JAF、後席シートベルト、“3人に1人”の低い着用率に警鐘


JAF(一般社団法人日本自動車連盟・本部所在地:東京都港区、会長:矢代隆義、以下、JAF)は、警察庁と合同で実施した「シートベルト着用状況全国調査2016」(2016年12月20日公表)の結果を基にした、インフォグラフィック「後席シートベルト“3人に1人”の低い着用率」をJAFホームページ内で公開した。

これからの季節、年末年始の帰省等でクルマを使う機会が増え、交通事故の多発が心配される時期を前に、注意を呼びかけている。

一般道路と高速道路では約2倍の差、後席シートベルト着用率
非着用が招く3つの危険をグラフィックで直感的に伝達

http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/rearseat/index.htm 

後席シートベルト、3人に1人の低い着用率
2008年に自動車後部座席のシートベルト着用が義務化されてから8年が経過しているが、今年の調査結果においても、一般道路でのシートベルト着用率は、運転席が98.4%だったのに対し、後席では36.0%と低く、微増であったもののほぼ同率となっており上昇が見られなかった。

高速道路での後席シートベルト、約3人に1人が非着用
高速道路でのシートベルト着用状況を調べてみると、運転席は99.5%、助手席は98.0%とそれぞれ90%を超える高い着用率だったが、後席は71.8%の着用率で前の座席に比べて低い着用率となった。

2002年から実施している警視庁との合同調査開始以来、過去最高の結果ではあるものの、いまだ約3人に1人が非着用という状況にある。

非着用が招く3つの危険とは?
非着用によるリスクはさまざまで、(1)同乗者に致命傷を負わせる(衝突の勢いで車内の同乗者にぶつかる)、(2)本人が致命傷を負う、(3)車外放出(自動車乗車中の者が車内から車外へ放出される)などが挙げられる。

後部座席だと車外放出されるイメージがない方も多いかもしれないが、実際は、車が横転した際にサイドドアの窓から投げ出されてしまうケースもあり、非常に危険だ。自他含めた安全確保のためにも全席でのシートベルト着用が必要である。

後席シートベルト着用を見直すきっかけに。周囲の方にも画像シェアを
JAFではこうした調査結果を踏まえて、情報データを視覚的に表現し、直観的に分かりやすく図式化したインフォグラフィックを利用し、ホームページ等で公開した。

JAFでは今回の動画に併せたインフォグラフィックの掲示について、「より多くの方の目に触れ、後席シートベルト着用について改めて見直すきっかけとなり、全席着用の意識が向上することを願っております。

JAFホームページでは、この他さまざまな交通安全啓発コンテンツを公開しています。また、全国各地で時速5kmの衝突体験ができる『シートベルトコンビンサー』を使ったイベントを開催しています」と述べている。

後席シートベルト義務化をめぐる新たな動き
2016年11月、国土交通省は、シートベルトをせずに走行すると警報音が鳴る装置「シートベルト・リマインダー」の設置を乗用車の全座席で義務化する方針を固めた。

早ければ2017年6月に省令を改正し、数年後に生産される車から義務化される見通しで、交通事故抑制効果が期待できる。

「2016年 JAF・警察庁 シートベルト使用状況全国調査」最新結果
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/data/driver2016.htm 

シートベルトが命を守る~後部座席シートベルトの安全で正しい使い方
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/rearseat_safety/index.htm 

JAF主催 全国の交通安全イベント開催情報
http://jafevent.jp/event/safety/