JAF、大根もばっさり切れる!パワーウインドーの挟み込みの危険性を検証


JAF(一般社団法人日本自動車連盟・本部所在地:東京都港区、会長:矢代隆義、以下、JAF)は、パワーウインドーの挟み込みの危険性について検証を行い、その結果を3月15日(水)よりホームページ上で公開している。

昨今、パワーウインドーに関連する乳幼児の事故が多発している。昨年11月には2歳の男児が首を挟まれ、心肺停止に陥る事案も発生した。

そこでJAFに於いては、パワーウインドーの使用時における注意を促すため、加わる力の大きさや「挟み込み防止機能」(窓が上昇中に異物の挟み込みを感知すると、窓の上昇が止まり下降する安全装置)の作動状況について検証を行った。

■テスト1:パワーウインドーの機能と閉まる力
「パワーウインドーの機能と閉まる力」を軽自動車、セダン、ミニバンの3台で検証しました。結果は下表の通りで、挟み込み防止機能の作動も関係しますが窓が閉まる力は車種により7~34.6kgfと差が大きいことが判った。

■テスト2:閉まりかけた窓を手で止められるか
「閉まりかけた窓を手(片手及び両手)で押さえ止められるかどうか」をミニバンの後席右側の窓で3人のモニターで検証した。

結果は表2の通りで、8歳児は両手でも窓を止められず、30代女性は両手であれば止めることはできたが、片手では止めることができなかった。

50代男性は両手、また片手であっても止めることができたが「止めるので精一杯」で下げることはできないことが判った。

この実験結果からわかるとおり、挟み込み防止機能は車種によってはすべての窓に装備されておらず、また挟み込み防止機能もスイッチを引き続けると働かないこともあり、子どもを乗せる際には十分注意が必要だ。

また、ドライバーは助手席や後席の窓を閉める際には、十分安全を確認し、「窓を閉めるよ」などと一声かけることも大切である。

子どもの事故に詳しい、緑園こどもクリニックの山中龍宏医師によると「車の中で子どもを自由に遊ばせているケースを見かけますが、車内にはパワーウインドーのスイッチをはじめ、シフトレバーなど事故につながるものがあります。

ただし、小さな子どもならチャイルドシートに座らせておけば、手が窓やシフトレバーに届くこともありません。

基本的な安全装備を使って子どもを事故から守ることが保護者の務めです」と注意を促している。

またJAFでは、「子どもをチャイルドシートに正しく乗せること、子ども自身が座席で窓の開閉ができないように、運転席にあるパワーウインドーのロックスイッチをONの状態にする等の安全対策の必要性を啓発して参ります」と語っている。

なお「パワーウインドーの機能と閉まる力」については、窓が閉まる力の大きさを表すため、JAFホームページで大根やゴボウが簡単に切れてしまう写真を公開している。

■テスト結果:JAFユーザーテスト(パワーウインドーの挟み込みの危険性)
・[資料編] パワーウインドーの挟み込み:
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/usertest/powerwindow/detail1.htm 

車内に潜む子どもへの危険性(総合編):
http://ch.jafevent.jp/detail.php?id=103 

チャイルドシート クイックガイド:
http://www.jaf.or.jp/eco-safety/safety/childseat/index.htm