J.D.パワー、2017年日本自動車保険事故対応満足度調査


CS(顧客満足度)調査の株式会社J.D. パワーアジア・パシフィック(本社:東京都港区、代表取締役社長:鈴木郁、略称:J.D. パワー)は、2017年日本自動車保険事故対応満足度調査の結果を発表した。

この調査は、自動車保険(任意保険)に加入する顧客のうち、事故連絡(保険金請求)をした際の保険会社の事故対応について顧客満足度を調べたものである。

それによると事故対応満足度は670ポイントで、昨年の667ポイントから大きな変化は見られず、捉えているすべての評価ファクターは昨年同等の水準となった。

各ファクターの業界トップとボトムの評価の差が最も大きかったのは事故受付後、解決までをサポートする「事故対応担当者」であった。

事故対応を担う保険会社の担当者に対する満足度は、事故対応の過程が円滑に進んだ場合に対し、「報告連絡が遅かった/催促をした」、「折り返しの連絡がなかった/遅かった」、「同じ情報を何度も伝えなければならなかった」等、なんらかの不満があった場合は250~300ポイント近く下落する。

適切な報告・連絡は、事故対応のプロセスの中でも、満足度を左右する重要な要素であることが見てとれる。

今回同社では、この事故対応のプロセスで生じた差を考える上で、顧客との最初の接点である事故受付時の対応に注目した。

具体的には受付時に、その後の事故対応に関わる問合せ先・連絡先が「明確だった」と答えた顧客が経過報告に不満を抱いた割合が6%に留まるのに対し、「明確でなかった」とした顧客の約半数が円滑に進まなかったと感じていることが判ったと云う。

また、総合満足度トップの保険会社と下位の会社では、事故連絡時に「希望の連絡手段や時間帯の確認」がされたとする割合に約20%の差があるとしている。

受付時に顧客にとって望ましいコミュニケーション方法が確認され、解決に至るまで必要な情報が明確に、タイムリーに伝えられることで、顧客は安心感を得ていると結論付けている。

また事故対応のプロセスの中で、報告・連絡を適切に行うためには、事故受付とその後の事故対応の連携も重要であるとした。

また、経過報告が円滑に進まず不満なことがあった顧客のうち、受けた不満な対応を理由に契約を継続せず別の保険会社と契約している割合は約8割に達しているとする。

さらに、事故対応後も引き続き契約している顧客であっても、次の更新の際に「絶対契約しない」「たぶん契約しない」と回答した割合は、不満な対応はなかったとする顧客の約5倍に上った。

その他、自動車事故というネガティブな体験に遭遇した顧客は、解決までのプロセスが円滑に進むことを望んでいる。

受付から解決まで、スムーズにストレスのない対応がなされることで、保険会社への信頼感が醸成され、契約継続、次回更新時の契約意向にも強く作用していることが推察されるとしている。

結果、今調査ではチューリッヒ保険会社が総合満足度スコア701ポイントの第1位としている。同社は「事故対応担当者」「調査/認定結果」の2つのファクターでトップ評価となった。

第2位は東京海上日動火災保険(697ポイント)で、「事故受付体制」「保険金支払」の2つのファクターでトップとなっている。同社は全てのファクターで業界平均以上の評価を得ている。第3位はソニー損害保険(684ポイント)で、「代車/レンタカーサービス」でトップとなった。

<調査概要>
2017年自動車保険事故対応満足度調査
2017年5月にインターネット調査を実施し、過去2年以内に契約先の保険会社に事故連絡(保険金請求)を行った者(事故経験後に他社へ切替え、現在は他社にて保険を契約している顧客も、調査対象者には含まれている)5,189人から回答を得た。

満足度の測定にあたっては、「事故受付体制」「事故対応担当者」「調査/認定結果」「修理サービス」「代車/レンタカーサービス」「保険金支払」の6つのファクター(要素)を設定し、各ファクターの総合満足度に対する影響度をもとに、総合満足度スコアを算出した(1,000ポイント満点)。

なお、「修理サービス」「代車/レンタカーサービス」については、契約代理店もしくは契約先からの紹介や提携/指定施設にて受けるサービスに対する満足度を測定している。