出光興産と同社大株主との確執なお深く、現段階では決着点見えず。


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出光興産株式会社(本社:東京都千代田区丸の内、代表取締役社長:月岡 隆)は8月15日、予てより進めてきた昭和シェル石油に関わる自社大株主との認識問題ついて、石油業界並びに事業の持続的成長の観点から、経営統合は最良の選択との意思を改めて示した。

一方で、大株主である同社創業家との対立に伴い、この昭和シェルとの合併協議が永らく中断していることについて、同社ではステークホルダーの利益を損なっているため、引き続き協議の再開を創業家に要請していく方針を再表明した。

これについて、経営統合に反対の意向を表明している出光興産の大株主は、本年8月3日付公表の書簡「出光昭介氏による昭和シェル石油株式取得について」(以下「書簡 1」)で、ロイヤル・ダッチ・シェルグループからの昭和シェル石油の株式取得は金融商品取引法上、禁止される旨の指摘を示し、さらに8月9日付公表の書簡「お願い」(以下「書簡 2」)では、出光興産の取締役・監査役に対して、同件での適切な対応を要請している。

この書簡 1、書簡 2 を受けて、出光興産は引き続き、本年7月11日開催の大株主との協議に引き続き、次回協議の打診を行っているのだが、出光興産側からの書簡の受け取りそのものを大株主が拒絶している。

このため次回協議の日程は未だ決まっておらず、同社では全てのステークホルダーの共同利益の確保の観点から、継続して大株主へ協議を要請していくとしている。

上記を踏まえ出光興産は同日、今後について以下の表明をした。

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1. 文書への当社の見解と対応
(1) 当社の意思決定プロセスについて
当社は、本日開催の当社取締役会において、当社の持続的な成長戦略を通じた企業価値の最大化のために、当社が昭和シェル石油との経営統合を決断した背景・理由には十分な合理性があり、また、その決定に当たって適切な意思決定プロセスを経ていることを確認致しました。

なお、書簡 2 に記載された当社大株主との交渉プロセスに係る事実関係は、当社の認識と齟齬がある部分も一部存在するため、当社は、上記取締役会において、当社大株主との協議に関するこれまでの経緯についても確認致しました。

あわせて、当社取締役会は、当社のすべてのステークホルダーの共同利益の確保の観点から、引き続き当社大株主に協議の再開を要請し、早期に事態の解決を図る方針で臨むことを確認致しました。

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(2) 昭和シェル石油株式会社の株式取得手続きについて
書簡 1 によると、出光昭介氏、出光正和氏、出光正道氏、日章興産株式会社は、金融商品取引法上の一定の株主グループに該当し、かつ、出光昭介氏は昭和シェル石油株式を400千株取得したと主張しています。

これを受け、当社としては、出光昭介氏による昭和シェル石油株式400千株の取得の事実等、当社大株主側の主張の根拠となる事実関係を確認するために最低限必要な情報の問い合わせを行いましたが、本日現在、回答は得られておりません。

一方、ロイヤル・ダッチ・シェルグループからの昭和シェル石油株式の取得の実行は、昭和シェル石油との経営統合に向けた重要なステップであることから、当社としては、今後、関連法令を遵守しつつこれを実行するべく、関係当局及びロイヤル・ダッチ・シェルグループ等の関係者とも協議を行い、対応を検討して参ります。

なお、現時点では、今後の経営統合に向けたスケジュールに変更はありません。

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2. 出光美術館及び出光文化福祉財団に対する当社見解の説明について
平成28年6月28日付で日章興産株式会社が公表した「合併反対のご連絡」によれば、当社株主である公益財団法人出光美術館及び公益財団法人出光文化福祉財団(以下「両財団」)は、日章興産株式会社、出光昭介氏、出光正和氏及び出光正道氏と共に、当社と昭和シェル石油との間の経営統合に反対する旨を表明されております。

当社と致しましては、昭和シェル石油との経営統合の実現により、両財団が保有する当社株式の価値向上を図り、安定的な株主還元を継続することで、両財団の運営に貢献できると確信しておりますが、当社から経営統合についての十分な説明の機会もないまま、両財団が経営統合に反対する旨を表明されたことは、誠に残念であると考えております。

ついては、当社から両財団の各評議員、理事、監事の皆様に対し、当社見解を説明する機会を設けて頂くよう依頼する書簡を本日付けで発送致しました。

以上