ホンダ、高圧水電解型「70MPa スマート水素ステーション」の実証実験を開始


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本田技研工業株式会社(本社:東京都港区、社長:八郷隆弘、以下、ホンダ)は、高圧水電解型水素製造ステーションとして世界初(※1)となる充填圧力70MPa(メガパスカル)の「70MPa スマート水素ステーション(以下、70MPa SHS)」を東京都江東区青海に設置し、実証実験を開始した。

この実証実験は、環境省の「CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業」のもと、太陽光エネルギー由来の水素を製造する70MPa小型水素ステーションの運用効果を実証するもの(※1)Honda調べ(2016年10月時点)

設置された70MPa SHSは、本体の床面積を従来型(※2)よりひとまわり小さい約6平方メートルに収めた小型サイズで、ホンダが独自技術で開発した高圧水電解システムが使われている。

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これによって圧縮機を使用せずに、製造圧力77MPaの水素を24時間で最大2.5kg製造することができるとする。なお製造した水素は約18kg貯蔵可能だと云う。(※2)充填圧力35MPa スマート水素ステーション

また、車両への充填圧力を70MPaとすることによって、同社の燃料電池自動車「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)」が、一充填で約750km(※3)走行できる量の水素充填が可能な小型水素ステーションとなった。

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写真は、同社の燃料電池自動車「CLARITY FUEL CELL(クラリティ フューエル セル)」と、可搬型外部給電器「Power Exporter 9000」

ホンダは今後、この70MPa SHSとクラリティ フューエル セル並びに可搬型外部給電器「Power Exporter 9000」を運用することによって、実際の都市環境下でのCO2削減効果と、緊急時における移動可能な発電設備としての実用性を検証していく。

これについてホンダは、「自由な移動の喜び」と「豊かで持続可能な社会」の実現に向けて、「つくる・つかう・つながる」技術の組み合わせによって、エネルギーの地産地消、低炭素社会を可能にする取り組みを拡大させていきます」と述べている。

※3SAE規格(J2601)の標準条件(外気温20℃、高圧水素タンク内の圧力10MPaからの充填)およびJC08モード走行パターンによるHonda測定値