GMグローバル・デザインのエド・ウェルバーンが退任、後任はマイケル・シムコー


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米ゼネラルモーターズ・カンパニー(本社:デトロイト、CEO:メアリー・バーラ、以下、GM)では、GMグローバル・デザインのバイス・プレジデントを務めるエド・ウェルバーン氏が、GMでの44年間のキャリアを終え7月1日に退任することを発表した。

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後任には、GMデザインで33年間のキャリアを持つ、オーストラリア、韓国に拠点を置くGMインターナショナル・デザインのバイス・プレジデントであるマイケル・シムコー氏が、5月1日付で第7代目のGMのデザインリーダーとして就任する。

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エド・ウェルバーン氏

ウェルバーン氏(65歳)は、彼の並外れた偉業により、業界の内外から名声を得ている。

彼は、2003年からGMのデザインのリーダーとして、また2005年以降はバイス・プレジデントとしてグローバルのデザインを統括した自動車メーカー初のアフリカ系アメリカ人でもある。

GMの会長&CEOであるメアリー・バーラ氏は、「GMデザインは、エドのリーダーシップにより、業界で最も尊敬され、求められている組織です。

彼は、私たちのグローバル・ブランドを強化したGMのデザイナーたちに創造的で、排他的でない、お客様を中心におく文化を根付かせました。」と述べている。

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ウェルバーン氏のリーダーシップの下、GMは7カ国で10のGMデザインセンターのネットワークを構築。

彼のチームは、米国、ドイツ、韓国、中国、オーストラリア、ブラジル、インドに拠点を置き、男女2,500人以上のクリエイティブで構成され、GMの全てのコンセプトカーと、世界の量産車両、トラック、クロスオーバーのデザイン開発に協力している。

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GMのグローバル商品開発兼グローバル購買・サプライチェーン担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントのマーク・ロイス氏は、この度のマイケル・シムコー氏の就任について、「画期的なデザインに対する、彼の深いグローバルな経験と革新的なデザインに対する情熱を考えると、マイケルはGMグローバル・デザインをリードする最も適した人物です。

彼は多様なアイデアを取り入れ、驚きとお客様を喜ばせる優れた商品を創り上げることで知られています」と述べている。

ロイス氏は、エド・ウェルバーン氏の創造的な職跡である、過去40年間に発表されたアイコニックなモデルの数々と、ワールド・クラスの才能を発掘、育成してきた彼のリーダ​​ーシップを称え、「エドのチームが開発したプロダクトは次々と優れた賞を受けており、彼の力強い功績は、この先何年もGMデザインを業界のトップにとどまらせることでしょう」とコメントした。

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マイケル・シムコー氏

マイケル・シムコー氏は、2014年より韓国、オーストラリア、インドに於いて、GMの生産および先進的なデザインスタジオを監修する現職にある。

彼はグローバルの立場でデザインすることの卓越性と創造性を、GMのそれぞれ異なる特徴をもつブランドに活かしたことでも知られている。

シムコー氏は、1983年にオーストラリアのホールデンにデザイナーとしてGMに入社し、今もなおホールデンのブランド統括者でもある。

1995年、彼はGMアジア・パシフィックのデザイン・ディレクターとなり、2003年にはアジア・パシフィックのデザイン・エグゼクティブ・ディレクターに就任し、ウェルバーンのリーダーシップの下で、新しい韓国GMのデザイン・オペレーションの開発をリードした。

翌年、彼はGMCテライン、ビュイック ラクロス、シボレー カマロ、シボレー エクイノックス、キャデラックCTSなど、重要かつ商業的成功の責任を担う北米エクステリア・デザインのエグゼクティブディレクターに就任した。

また最近に於いてシムコー氏は、受賞歴のあるビュイック アベニール コンセプトを担当するチームをリードした。先月、彼はバンコク国際モーターショーでシボレー コロラド エクストリームと、シボレー ト レイルブレイザー プレミアを発表している。

corvette_historyasset1_1480x551「GMデザイン」について
1927年6月(日本年号:昭和2年)に、GMのアートとカラー・コンビネーションを研究する「GMデザイン」という組織が創設・誕生し、来年で90年を迎える。

現在、GMの10のグローバル・デザイン・センターの2,500名のスタッフは、ユーザーがクルマに感動し、またクルマを、感動させるアートとして見ることができるように、将来的なビジョンに取り組んでいる。

ちなみにGMは、世界で最初にデザイン部署を創設した自動車メーカーでもある。1927年6月23日、ゼネラルモーターズのエグゼクティブ・コミッティでは、ゼネラルモーターズの製品に於いて、「アートとカラー・コンビネーションの研究」をする新しい部門の設立が許可され、ハリウッドからカスタム・コーチ・ビルダー(車体メーカー)とラ・サルのクリエイターであるハーレー・アール氏を迎え入れた。

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アール氏の自動車業界への参入によって、ライバルであるヘンリー・フォードのモットー「お客様は、クルマを選べます。黒色を選ぶ限り」に対して、衝撃を与えた。

アール氏の多くの成果の中には、コンセプトカーの開発からはじまり、毎年のモデル・チェンジ、1950年代のテールフィン、アメリカで移動型「モトラマ」オートショー、アメリカのアイコンであるシボレー コルベットの開発がある。さらにアール氏は、自動車業界で初めて女性デザイナーを採用した。

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また、アール氏は、ミシガン州ウォーレンに現存するGMテクニカルセンターのキャンパスをデザインするため、20世紀を代表する巨匠であるエーロー・サーリネン氏を選んだ。

この建物は、20世紀を代表するアメリカの歴史的建造物になっています。他社が20世紀半ばの建物をリフォームしたり、移転したりする中、GMデザインは、古いものと新しいものとのバランスをとりながら、この歴史的建造物を残し続けてきた。

このアイコン的なドームの近くにあるオフィスビルは今現在も使われ続けており、彼は、当時から先を見据えたデザインをしたことになり、これこそがGMデザインに対するコミットメントでもある。

アール氏に続く歴代のGMのデザイン リーダーは、ウイリアム・ミッチェル氏(1958-1977)、アーヴィング・リビッキー氏(1977-1986)、チャールズ・ジョーダン氏(1986-1992)、ウェイン・チェリー氏(1992-2003)、エド・ウェルバーン氏(2003年-2016)、そして、5月に就任するマイケル・シムコー氏である。

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現在、GMのグローバル・デザイン・センターは、アメリカ、ドイツ、韓国、中国、オーストラリア、ブラジル、インドにある。