グローバル・ラリークロス第6戦、VWのスピードが勝利。スバル善戦するもリタイヤ


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グローバル・ラリークロス(GRC)第6・7戦が、米国時間7月2日(土)3日(日)、MCASニューリバー(ノースカロライナ州)の海軍基地でダブルヘッダーにより開催された。

2015年チャンピオンのスコット・スピード(フォルクスワーゲン・ビートル)が、今季初優勝をマークした。当初予選ヒートで脱落したスコット・スピードだったが、敗者復活戦でファイナル進出を決め、最終ファイナルで上位グループに食い込む絶妙なスタートを切って、レースの勝利につなげた。

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同じVW陣営では、チームメイトのタナー・ファウストも8位とトップ10入りし、翌日・第7戦への進出を決めたのだが、ファイナルを前に天候が悪化し雷雨に見舞われ、キャンセルされた。

このグローバル・ラリークロスは、米国当地では人気の高いモータースポーツ競技である。

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舗装やダートが入り混じったクローズドの周回コースを用いて行われるこの競技の特徴は、コースに分岐があること。通常のルートに加えて、ジョーカーラップと呼ばれるルートがあり、各ドライバーは1回のレースのうちに、このルートを1度は必ず通らなければならない等ルールがある。

その時のレース運びによって、序盤に通過した方が有利な場合、またはその逆といったケースが見られ、混戦のレース展開で団子状の集団の前にジョーカーラップを通過したマシンが躍り出るなど、ゲーム的な要素が加えられている。

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また予選にも特徴がある。予選はタイムアタックとヒートレースで構成されており、タイムアタックの上位6台は決勝のグリッドを決める予選レースを行い、それ以下の車両はグループに分かれて、レースを走り、勝ち残ったものが敗者復活戦レースであるLCQ(ラストチャンスクオリファイ)へと進出。勝ち上がった4台が上位6台に加わり、10台が決勝へと進む。

SUBARUラリーチームUSAは、SUBARU/STIによる技術支援のもと、SUBARU WRX STIをベースに車両を製作しており、同レースには、SUBARU/STIがサポーとするSUBARUラリーチームUSAも参戦した。

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競技車両は、市販車をベースに600馬力までパワーアップされたエンジンを搭載し、コースにあるジャンピングスポットに耐えうるシャシーを持つように改造されている。また電子デバイスによるトラクションコントロールは禁止されている。

7月第1週の週末に開催されたMCASニューリバー戦では、その初日の第6戦・予選最初のヒートレースで、バッキー・ラセックが4位でフィニッシュ、同時に走っていたチームメイトのスヴェレ・アイザクソンも堅実にドライブして3位で走っていたものの、最終ラップの果敢なアタックにより、クラッシュしてしまいストップを余儀なくされた。

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グローバル・ラリークロスで、彼は「バイキング・ウォリアー」というニックネームで呼ばれているものの、今回は上位6台に残れなかった。

しかし、敗者復活戦であるLCQで、アイザクソンとラセックの双方が手堅いレースを展開し、それぞれ2位と4位でフィニッシュ、残り4台となる決勝グリッドを獲得。

しかしここで、アイザクソンはLCQ走行中の接触が、回避可能なものだったと判断され、5秒のペナルティを加算されることとなり、決勝レースへの参戦圏外の5位へと降格してしまう。

決勝は大雨と雷による遅延があり、開始前にレーストラックは泥沼と化した。これにより最後尾からスタートとなったバッキー・ラセックは、雨が降りだすなか、先行車が巻き上げる泥でクルマのワイパーが扱いきれないぐらいの厚い泥を浴びてしまう。

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それでもスタート直後から上位を追い上げるべく懸命の走りをみせる。しかしラセックは厳しい視界の影響でタイヤバリアに接触、そこでレースはストップした。

本来レースは、ダブルヘッダーになるはずだったため、初日が終わり、翌日の第7戦に2レースにむけてのミーティングがチームによって精力的に行われたが、コース近隣への落雷などにより、主催者は最終的にレースをキャンセルすることを決めた。
次戦は7月30日(土)ワシントンDCにて開催される予定だ。

GRC第6戦ファイナル結果(完走4台)
1 S.スピード(フォルクスワーゲン・ビートル) 9:22.229
2 B.ディーガン(フォード・フィエスタST) 9:24.400
3 S.アルピン(フォード・フィエスタST) 9:30.050
4 P.サンデル(フォード・フィエスタST) 9:53.734