EVメーカーのGLM、京セラの技術を「トミーカイラZZ」に搭載


プラットフォーム事業を背景とした新コンセプトカーを横浜開催の「人とくるまのテクノロジー展」に出展する

京都大学発のEV(電気自動車)ベンチャーのGLM株式会社(本社:京都市伏見区、代表取締役社長:小間裕康)と京セラ株式会社(本社:京都市伏見区、代表取締役社長:谷本秀夫)は共同で京セラの最新の技術をGLMのスポーツEV「トミーカイラZZ」に搭載したコンセプトカーを仕立てた。

同じ京都を本拠地とするGLMと京セラだが、両社が協業したのは今回が初めてのことになる。

GLMは今年3月、それまで精力を注いできた「完成車事業」に加え、化学・ITメーカー等に向けて自動車関連事業に関わる「技術・開発支援」を推し進める「プラットフォーム事業」を本格的に立ち上げたが、今回の協業はそうした「プラットフォーム事業」の一環となるもの。

「人とくるまのテクノロジー展・横浜」に出展される車両には、京セラ独自の光学設計による高精細・高感度の車載カメラを活用した電子ミラーや、サラウンドビューシステムのほか、リアルな触感を生み出す触覚伝達システム「Haptivity(ハプティヴィティ)」をインストルメント・パネル内のディスプレイ搭載するなど、「安全・安心かつ快適」な運転をサポートする最新のデバイスやシステムを多数実装させた。

この「ハプティヴィティ」は、平面のディスプレイ上に表示されたボタンを押すことで、操作者に対して指に振動を感じさせる触覚伝達システムが搭載された機能のこと。

指がディスプレイを抑える圧力や、クリック操作などの変化により、振動を介して指の神経が錯覚を起こす仕組みとなっている。

その他、車両の直近前後をディスプレイ上に切り替えて表示できる機能。ステアリングの手を離すことなく指だけの搭載機能を操作可能にするなど、様々な技術が今回、トミーカイラZZに搭載された。

ちなみに外観自体はGLMの看板製品である「トミーカイラZZ」だが、その内部にそのような最先端のデバイスやシステムを搭載。これに併せて内装もコンセプトカー向けに刷新し“近未来”を演出したものとなっている。

肝心の車両展示は、2018年5月23日(水)-25日(金)の3日間、「人とくるまのテクノロジー展2018 横浜」の京セラブースで、一般公開される。

また開催前日となる2018年5月22日(火)には、走行シーンを含む車両動画が公開される予定だ。

ちなみにEVは今、環境対応という社会的ニーズの高まりを受けて、世界の様々な業種が注目している。実際EVは「部品点数が少なくガソリン車より参入障壁が低い」といった見方もあるからだが、実際に高品質な製品を量産するとなると高い技術力と莫大な初期投資が必要であり、実際にはゼロからビジネスを立ち上げるのは困難を伴う。

そうした背景からGLMは、欧州やアジアを中心に国内外の自動車市場への新規参入を目指す企業から注目を集めている。これは既に連携を検討している製品メーカーだけでなく、EVを使ったモビリティ(移動手段)サービスを自らの事業に組み込もうとする事業者にまで至る。

そこでGLMは、フレームやシャシー、制御システム等といった車両内部のモジュールや、技術基盤等の中核部分を外部に提供し、EVの量産・開発を支援する事業。

さらに技術系企業各社のノウハウや技術を投入した共同技術開発。保有技術の自動車分野への応用など、自動車開発を総合的に見ることができる完成車メーカーとしてのノウハウをもとに車両開発の支援を行っていく構えだ。