ダカールラリー、ローブが車両転覆で8位に沈む。首位は再びペテランセルの手に


ダカールラリー2016は1月11日、アルゼンチンのサルタ~ベレン間393㎞(SS距離394km)のディ8・後半戦に突入した。

折り返し1日目となった同日は、2015年の覇者ナッサー・アル-アティヤー選手(ミニ・オール4レーシング)が、今季初のステージ優勝をもぎ取っている。

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一方、ここまでペテランセル選手と首位を奪い合ってきたセバスチャン・ローブ選手(プジョー2008DKR16)は、ディ終盤になってまさかのクラッシュを喫し、首位から1時間5分遅れの総合8位に脱落した。

ディ8の行程は、129㎞のリエゾン(移動区間)を辿ってサルタ南西部の山麓地帯に移動。そこから途中、140㎞のニュートラルゾーンを挟んで162㎞と、232㎞のSS(競技区間)が実施された。

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コースの前半部分は、比較的走り易い高速のピスト(未舗装路)であったのだが、後半は一転して岩の谷間を縫う枯れ川の底、フェシュフェシュ(粘土質の土が乾燥した微細粒のパウダーサンド)やオフピストの丘陵など、めまぐるしく路面環境が変化。

加えてディ8終盤には、標高3000mの高地を通過するというドライバーたちには、厳しい展開となった。

こうしたなかで、アル-アティヤー選手が第1チェックポイント通過時点で1分以上のリードを獲得。カルロス・サインツ選手(プジョー2008DKR16)が、その後方に追いすがるのだが、最終的にはアル-アティヤー選手が後続を12秒突き放してゴールを果たす。これによりプジョー陣営の連勝記録を阻止した。

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対してローブ選手は、ゴールまで残り約30キロを残した時点に於いて、川を通過するポイントがあり、ここに高速で突っ込んで車体が転覆。何度もローリングするアクシデントを被って、この日は33位に沈んだ。

これによって、ステファン・ペテランセル選手(プジョー2008DKR16)がまた総合首位に返り咲いた。

ローブ選手の後退も手伝って、首位から2分9秒遅れとなったサインツ選手が2位。総合3位にはアル-アティヤー選手、総合4位にはミッコ・ヒルボネン選手がつけている。

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日本のチームランドクルーザー・トヨタオートボデーは、ニコラ・ジボン/ジャン・ピエール・ギャルサン組が途中1本のリム落ちを喫するも総合37位/市販車部門1位でゴール。

この結果により、この日までの累計順位を総合39位/部門3位とし、部門首位とのタイム差を、この日だけで39分53秒短縮した。

同じチームの三浦昂/ローラン・リシトロイシター組は、終盤までスタックもなく順調に走行していたのだが、ゴール手前70㎞の岩場でプロペラシャフトを破損。

そこからは前輪のみの2輪駆動で走り切り、総合55位/部門6位でゴール。累計順位は総合50位/部門6位となった。

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トラック部門の日野チーム・スガワラ勢は、菅原照仁/杉浦博之組が、右側前後輪のパンクに見舞われたものの、素早いリカバリーによりトラック部門の上位に食い込む総合17位/排気量10リットル未満クラス1位でゴールした。

菅原義正/高橋貢組も、慎重なペースを保ち、総合38位/クラス3位でフィニッシュ。結果、菅原照仁/杉浦博之組の累積順位は総合16位。菅原義正/高橋貢組は総合39位で、排気量10リットル未満クラスで2位・総合41番につけている。

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二輪部門では、総合トップで前半戦を終えたTeam HRCのパウロ・ゴンサルヴェス選手はディ8を3番手でスタート。序盤はルート上のウエイポイント(GPSで管理されるルート上の通過点)を快調なペースで走ってリードを広げたが、後半に砂から岩が顔を出す悪路で転倒を喫し2位でゴール。これによりプライスに5分17秒差が付き、2位に転落した。

続くデイ10はベレンを周回する396km(SS距離285km)の走行が予定されている。