コンチネンタル、同社の次世代ナビゲーションシステム「eHorizon」を気象サービスに活用へ


eHorizonとフランス気象局との協業を介して、時代を先駆けるリアルタイム気象情報を提供

独・自動車部品サプライヤー大手のコンチネンタルAG(本社:ドイツ、ハノーバー市、CEO:エルマー・デゲンハート)は、同社の「eHorizon」搭載車からリアルタイムで特定箇所の気象データを収集することで、危険をもたらす事象を事前にドライバーに警告するシステムインフラを、フランスの国営気象機関・フランス気象局と共同で進めている。

このコンチネンタルの「eHorizon」というのは、車載並びにクラウドの高精度地図データをベースに、全地域で走行している全車両のリアルタイムな交通・周辺環境をつぶさに収集。

このビッグデータを利用して、それぞれのクルマが走行する先の道路や通行環境を、その地点に到達する以前に通知していく。

これにより、個々の自動車は自車の走行ルートを事前に調整して、赤信号の切り替わりタイミングを事前に察知したり、あらかじめ知り得た行く先の渋滞を積極的に避けられたり、事故など行く先のトラブル情報を事前に知って、積極的にルート変更を行うなど、まさに次世代のナビゲーション機能と呼ぶべきもの。

移動先の天気を入手・考慮して、ルート計画を都度組み立て直すことができれば利便性と効率が大きく向上する

同社はこの「eHorizon」の機能を未来に向けてさらに拡張することを目指している。例えば、気象情報面では個々の走行車両からリアルタイムに局地的に気象状況を収集することで、それを広域の気象情報の一部として活用していく「eHorizon.Weather」プロジェクトを進めている。

この「eHorizon.Weather」機能を実装した車両は、刻一刻と変化する局地的な気象情報を次々と収集。集約した気象情報を基に、危険をもたらす未来の可能性を事前にドライバーに警告する。

コンチネンタルでは、このプロジェクトをフランスの国営気象機関・フランス気象局と共同で進めており、現在、フランス国内の200台以上の車両で「eHorizon.Weather」のテストを実施。目下、精力的に利用者からのフィードバックを通して該当技術の改良に努めている。

車両スワームがデータを記録し、リアルタイムの気象情報を収集・最適化していく仕組みを政府と造り上げていく

この取り組みについて、コンチネンタルのインテリア部門・デザイン&イノベーション部マネジャーのジャン-イブ・ルガール氏(Jean-Yves Le-Gall)は、「フランス気象局と共同で、より安全、効率、利便性の高いモビリティサービスの実現に取り組んでいます。

車両センサー情報と外部データとの統合で気象警報をリアルタイムで車両に届けるeHorizon.Weatherは、非常に有用なソリューションといえるでしょう。

具体的にeHorizon.Weatherは、フロントガラスのワイパーに取り付けられたセンサー、フォグライト、ABS・ESCなどの既存の車両アーキテクチャを利用し、気温、気圧、視界、道路状況に関する情報データを取得します。

これらのデータはその後、車両に搭載された通信ユニットを介しコンチネンタルのバックエンドに蓄積され、フランス気象局がデータを処理します。

気象サービスの質向上と同時に、安全関連情報や特定の場所など、その他の情報を統合したインタラクティブマップを介し、位置情報に応じた気象警報をリアルタイムで車両に送り返すことが可能になります」と云う。

視覚的な警告を認知するという旧来スタイルを超えて、包括的なヒューマン・マシン対話を用いて気象情報を入手する仕組みに

さらにジャン-イブ・ルガール氏は、「先にご説明した包括的ヒューマン・マシン・インターフェースという言葉の通り、eHorizon.Weatherは視覚的な通知だけでなく、音声プロンプトを介して聴覚的にも、危険な道路状況に関する警告を行います。

こうしてあらかじめドライバーに情報を確実に届けることができれば、大雨や雪、暴風雨や路面凍結といった気象条件に合わせ、運転スタイルの調整が可能です。

同時に、インタラクティブマップが提供する指示を確認したり、気象警報が出ている道路区間を通過後に、危険が去ったことを知らせることもできるようになるのです」と語っている。

さらに、このeHorizon.Weatherは、車両スワームがある特定の場所の気象データを記録し、クラウドを介したデータ利用も実現する。

深刻な気象警報を発信するだけでなく、快適な運行計画のサポートに。実用的なサービス提供に向けて、実地テスト環境を整備中

eHorizon.Weatherからの収集データを基に、フランス気象局は従来の気象観測の手法(衛星、レーダー、測候所など)とを組み合わせ、これにの群知能により、短時間(3時間未満)天気予報と、深刻な気象警報システムの有効性と気象予測精度の質向上を図っていく構えだ。

もちろんeHorizon.Weatherは、安全と便利さという身近な点でも、ドライバーに大きなメリットをもたらす。

例えば、危険が予想される道路区間に関する情報を、事前に受け取ることができれば、交通事故のリスクは軽減し、ドライバーはより緊張感をもって運転ができるようになる。

また、目的地の天気予報と天候に基づいたルート計画ができれば、旅の計画も最適化も可能だ。

このソリューションはフリート事業者(交通制御システムや交通制御システム事業社など)や、二輪車ライダーにも有効であり、この革新的なソリューションは、フランスのAuto Moto Innovation Award 2016を受賞している。

コンチネンタルでは、9月に開催されるフランクフルトモーターショー(IAA)で、このeHorizonが実現する広域機能について、デモンストレーションを実施する予定だ。

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