シトロエン、次年度を見据えたモータースポーツ戦略を発表


citroen-the-1day-owner-special-experience-campaign-implementation20150702-1-min

2017年からのWRC再参戦を表明。セバスチャン・ローブ選手はダカール挑戦へ

シトロエン(本社:フランス・パリ、CEO:リンダ・ジャクソン)は11月19日、次年度以降の同社モータースポーツ活動についての発表を行った。

それによるとシトロエンレーシングは、来年度の踊り場を経て、2017年より新たにWRC(世界ラリー選手権)への全面参戦する意向を表明している。

具体的には、今後のニューモデル開発へのリソースを蓄積するため、来シーズンのWRCにも暫定参戦し、実戦の場も含めてFIAの新しいレギュレーションに沿ったマシーンを開発していく。

wrc-argentina-ds3-victory-chris-meek-is-first-victory-of-kusetsu-13th-year20150430-1-min

またWTCC(世界ツーリングカー選手権)については、2016年も引き続きに2つのワークスチーム体制で参戦。

ホセ・マリア・ロペスとイヴァン・ミューラーの二人のドライバーがシトロエンC-Elyséeを操り、ディフェンディング・チャンピオンとして連覇を狙う。

この四半世紀のシトロエンは、クロスカントリーラリー・ワールドカップ、WRCでの8タイトル、WTCCで5タイトルと1993年から2015年に掛けての22年間で、15もの世界タイトルを獲得している。

これらモータースポーツ活動での成功は、シトロエンの歴史と技術に裏打ちされ、同社の新たな側面として今年で96年を迎える永きに亘るシトロエンの歴史の一部となった。

citroen-announces-motor-sport-strategy-with-an-eye-to-next-year20111120-3そんなモータースポーツシーンへの挑戦は、カルロス・タバレス氏率いるPSAプジョーシトロエン経営委員会の計画に沿い、今後も精力的に続けられるだけではない。シトロエンはさらに体制を整えた上で、2017年に向けてFIA世界ラリー選手権への再挑戦という新たな目標を打ち立てることになった。

citroen-announces-motor-sport-strategy-with-an-eye-to-next-year20111120-4シトロエンブランドのCEOであるリンダ・ジャクソン氏は、「これまでシトロエンはWRCに於いて、8つの世界タイトルを挙げるなど、過去に比類なき成功を享受してきた。

今日このカテゴリは、観戦者を含む国際的な競技人口の拡大が続いている。

またラリー競技は、車両の信頼性、堅牢性を証明するための環境として最も適したスポーツあり、ゆえに新世代車の投入を通して、新たな歴史作りに挑む我々の前向きな姿勢と一致する。

2016年の踊り場を経て、2017年に再び足を踏み入れるこの世界は、シトロエンの歴史の中に新たな章を書き加えるための格好の舞台となるだろう」と述べた。

citroen-announces-motor-sport-strategy-with-an-eye-to-next-year20111120-5これを受けてシトロエンレーシングのチーム代表、イヴ・マトン氏は、「私たちはWTCCでの実績を背景に、2016年は新たなワールドラリーカーの設計開発に集中する。

このため直近に於いてワークスチームとしてのWRC全面参戦は実施されないが、JWRC並びにWRC2プログラムの両方で、今後の選手権の推移に注視していく」と語った。

同時に破竹の勢いで圧倒的な勝利数を積み上げているWTCCカテゴリでは、ホセ・マリア・ロペス選手と、イヴァン・ミューラー選手の二人のドライバーが、シトロエンC-Elyséeを駆ってディフェンディング・チャンピオンとしてのWTCC連覇を狙う。

ホセ・マリア・ロペス選手は、「2016年もシトロエン・レーシングとWTCCを戦っていけることを心より嬉しく思う。

2016年シーズンもシトロエンC-Elyséeは、WTCC史上、最強のクルマであり続けるだろう。来シーズンの私たちの目標は、獲得したタイトルを引き続き、守り続けることにある」と語った。

citroen-humbly-made-and-300-seats-limited-release-special-tickets-of-wtcc20150713-2-min

同じく2016年も、シトロエンC-Elyséeのステアリングを握るイヴァン・ミュラー選手は、「これまでFIA WTCCで最高のチームに携わってこれたことを誇りに思う。

また来る2016年は、昨年度を上回る新たな孤高を目指すため、チームのポテンシャルと経験を頼りに果敢に戦っていく」と語った。

加えて、シトロエンと共に9度の世界ラリーチャンピオンを勝ち取ったセバスチャン・ローブ選手は、ルマン、F1、GT、パイクスピーク、WTCCと、過去15年間でシトロエンと前人未踏の歴史を作ってきた。

そんな彼は、長年のコ・ドライバーであるダニエル・エレナ選手と一緒に、プジョー・スポーツチームの一員として、ダカールラリーへ挑戦し、その章に新たな1ページを付け加える。

peugeot-challenge-the-dakar-in-the-new-2008-dkr20150923-4

これについてリンダ・ジャクソン氏は、「私たちはシトロエンブランドの国際評価を高めた全ての勝利、タイトル、レコードについて彼に感謝したい。

セバスチャンは、PSAグループ内に於いて、新たな冒険の旅に漕ぎ出す。私たちはその新たな挑戦を称え、その成功を願っている」と結んでいる。

WRCにおけるシトロエンの戦績
・ワールドタイトル8回 (2003-2005、 2008-2012)
・94勝  (記録更新中)
・38 回連続ポディウム (2008年メキシコ~2010年英国:最高記録)
・29 回ワンツー・フィニッシュ (最高記録)
・セバスチャン・ローブ78回優勝記録
・ローブ/エレナ組で9回ワールドタイトル獲得 (2004年~2012年)

WTCCにおけるシトロエンの戦績
・ワールドタイトル2回 (2014-2015)
・36 勝
・ポールポジション21回