バイオマス・ジャパン、フィリピンでバイオディーゼル実証事業の開所式典


ドゥテルテ大統領の娘サラ・ドゥテルテ現ダバオ市長が主催。日本からは中根外務副大臣が出席

バイオマス・ジャパン株式会社(本社:東京都豊島区、代表取締役:内田勝巳)は8月25日、フィリピンダバオ市にて行っているバイオディーゼル実証事業で、サラ・ドゥテルテ ダバオ市長の主催による、施設のオープニングセレモニーに事業者として出席した。

出席者には、中根一幸外務副大臣、在フィリピン日本大使館 伊従経済公使、在ダバオ領事事務所 百々領事、JICA関係者など多数が出席し、現地メディア10数社が取材に訪れるなど、現地での注目の高さが伺える内容となった。

式典でダバオ市のサラ・ドゥテルテ市長は、「優れた技術と設備を支援してくれたJICAとバイオマス・ジャパンに感謝する」「大気汚染や水質汚染の環境問題だけでなく、軽油燃料の低コスト化(軽油32ペソ/リットル→BDF16ペソ/リットル)が可能になるプロジェクト」「ダバオ市が抱える課題を解決しうる開発計画」と高く評価し、「このプロジェクトが発展し、ダバオ市だけでなく他のフィリピン地域にも広く貢献していくことを望んでいる」と謝辞を述べた。

一方、中根一幸外務副大臣は「ダバオ市は、戦前より日本と深い関わりのある土地で、ドゥテルテ大統領のホームタウン、このような援助を行うことができて嬉しい。日本とダバオの友好の証として、このプロジェクトが、今後より一層発展していくことを望んでいる」と語った。

なおこの実証事業は、独立行政法人国際協力機構(JICA)の「中小企業海外展開支援事業、廃食油回収システムの構築及びバイオディーゼルの製造と普及による環境改善に関する普及・実証事業」として行われているもの。

その目的は、
(1) フィリピンダバオ市における廃食油回収システムの構築
(2) 回収した廃食油によるバイオディーゼル燃料の製造と流通
(3) 実証、普及活動によるビジネス展開、3テーマからなる。

具体的には、ショッピングモールやレストラン、家庭などから排出される廃食油を回収し、それを大気汚染物質の排出が少ないバイオディーゼル燃料へと精製し、ジープニー(現地で普及している相乗りバス)と廃棄物回収車の燃料として使用する。

実際、現地に於ける車両急増による大気汚染の深刻化と、生活排水からの油による水質汚染は、現ダバオ市で最も懸念されている環境問題である。

ダバオ市がこうした廃油を回収することによって、河川への流出と水質汚染を防ぐことができると同時に、バイオディーゼル燃料(BDF)に変換することで、現在の軽油価格の半値近くとなることで大きなメリットが享受できる仕組みだ。

※ちなみにBDFは軽油と比較して、PM(黒煙)の含有量が47% 少く、加えてPM物質を二次生成するSOx(硫黄酸化物)の排出量も軽油と比較して99.1% 少ないク リーン燃料である。

また、廃食油は生物化学的酸素要求量 (BOD )濃度が150 万mg/L と非常に高く 、現地の水質基準(5mg/L )へと希釈する為には5,000 倍の水を必要とするほど水質を悪化させる。

バイオディーゼルプラント概要は以下の通り
年間25万リットルのバイオディーゼル燃料を製造する予定。
プラント能力:1,000リットル処理/8時間
設置場所:ダバオ市内マア地区
想定:バイオディーゼル
燃料コスト:16ペソ/リットル(軽油32ペソ/リットル)

会社概要
社名:バイオマス・ジャパン株式会社
代表者:内田 勝巳
本社所在地:〒171-0014 東京都豊島区池袋2-52-8 大河内ビル9F
URL:http://www.biomassjapan.jp/