BASF、韓国・麗水で耐熱軽量樹脂の新製造ラインが稼働


BASF(本社:独ラインラント=プファルツ州ルートヴィッヒスハーフェン、取締役会会長兼CEO:マーティン・ブルーダーミュラー)は、韓国・麗水(ヨス)の拠点で、高い耐熱性を持つ熱可塑性プラスチックであるUltrason®(ウルトラゾーン、ポリアリールスルホン樹脂)の新製造ラインを稼働させた。

今回の新ラインにより、ウルトラゾーン®の世界全体での年間製造能力は6,000トン増加の計24,000トンとなり同社は、世界的に拡大する市場の需要に応えていく。

ちなみに麗水のプラントは、アジア初のウルトラゾーン®製造プラントとして2014年に開設された。そんなウルトラゾーン®は、BASF のポリエーテルスルホン樹脂(ウルトラゾーン® E)、ポリスルホン樹脂(ウルトラゾーン® S)、およびポリフェニルスルホン樹脂(ウルトラゾーン® P)の製品群の商標である。

これらの製品群は、エレクトロニクスや自動車、航空宇宙産業などにおける耐熱軽量部品の製造に幅広く使用されている。同素材は、特性が変化することなく最高220℃までの熱に耐えられるほか、優れた化学的安定性を備えているからだ。

例えばウルトラゾーン®の優れた耐熱性によって、ヒュンダイ ix35の新たなヘッドライトリフレクターのコンパクトデザインが可能となった。

また併せてこの高性能材料は、水ろ過膜や医療機器、エスプレッソマシーンなどの食品接触部品、電子レンジ対応の食器、高品質家電製品にも用いられている。それゆえに米国のFDA(食品医薬品局)や食品接触用途の材料に対する欧州の規制も遵守したものとしており、炭素繊維コンポジット材料の製造にも用いられるなど、多角的な用途に広がる製品群であると云えるだろう。

同製品群についてBASFのグローバルビジネスユニット、スチレンフォーム・スペシャリティポリマーを率いるジョルジオ・グリーニング氏は、「今回の製造能力の拡大により当社の競争力は強化され、世界的に多種の用途にポリアリールスルホン事業を展開できます。

私たちは高度な技術レベルと最適な製品ポートフォリオで、お客様の成長と寄り添えるようになります。

BASFは、ドイツのルートヴィッヒスハーフェンと韓国の麗水でウルトラゾーン®の製造を行っています。どちらの拠点もウルトラゾーン® S、EおよびPのあらゆる製品群の製造向けに設計されており、BASFは世界中のお客様への供給を最適化する柔軟性を備えています」と述べた。

また同社でグローバルビジネスマネジメントスペシャリティポリマーを率いるオリビエ・ウブリック氏は、「製造ラインが新たに増強されたことで、今後もお客様や業界のパートナーの皆様に、質の高い材料を確実に提供していけます。

特にアジアのお客様には、迅速な対応と地理的近接性によるメリットをもたらすでしょう。

都市化がますます進み、浄水管理に対するニーズが増大するなか、ウルトラゾーン®はフィルター膜に理想的な材料であり、水処理における脱塩および浄化に貢献します」と製品の可能性について語っている。