アウディAG、TCRとGT3の間を埋める「R8 LMS GT4」をワールドプレミア


アウディAG(本社:ドイツ・バイエルン州インゴルシュタット、取締役会長:ルパート・シュタートラー、以下アウディ)は2017年4月12日(水)、米ニューヨーク国際オートショーに先駆けて、Audi R8 LMS GT4を初披露した。

アウディは2009年からAudi R8 LMS GT3を供給しており、このモデルの成功を受けて、2015年からは第二世代Audi R8 LMS、2016年にはTCRカテゴリー向けのAudi RS 3 LMSの供給を開始している。そして今回、Audi Sportの展開するモデルがさらに強化されることになった。

なお今回のAudi R8 LMS GT4は、生産モデルをベースとしたレーシングカーで、市販のAudi R8 Coupé V10がベースとなっており、パワフルで高い安全性を持っているのが特徴だ。

Audi R8 LMS GT4は、市販モデルAudi R8 Coupéと実に60%以上もの構成部品が共通で、生産工場自体も市販モデルと同じBollinger Hofe工場で行われる。

このシナジー効果により、この新しいレーシングカーのオーナーは、購入価格や維持費の点で恩恵を受けることになる。併せて車両の購入価格や、レース出走に掛かる維持費についてもリーズナブルな設定となっており、さしずめアマチュアチームによる出走車両に最適なモデルであると云う。

ちなみに生産モデルベースのAudi R8 LMS GT4が、最初に参戦するレースは、5月25日(木)~28日(日)に行われるニュルブルクリンク24時間レースとなる。これにより、アウディ ブランドはまた一つ、新たな国際モータースポーツにおける成長カテゴリーに進出することになる。

ヨーロッパで発足の第一歩を印したGT4クラスは、2017年には世界に広がり、これに伴い同車は、北米、アジア、オーストラリアとヨーロッパの各レースに参戦する。

こうした国際的な盛り上がりについて、Audi Sport GmbHマネージングディレクターのステファンヴィンケルマン氏は、「GT4カテゴリーのモデルが世界参戦できるレースシリーズは現在世界中で13もあります。

そうしたなかAudi Sport GmbHは、GT3とTCRカスタマースポーツのカテゴリーに最大規模で車両を提供しているメーカーの一つです。そして今、この注目のGT4クラスに向けても活動を行ってきました。

これだけ急成長を見せているセグメントと、私たちのレースカーと市販モデルとの間で共有されるDNAの組み合わせにより、アウディはハイパフォーマンス車両による競技においても、真のグローバルリーダーとなるという決意をあらたにしているのです」と述べた。

Audi Sportは2017年シーズン、この最大出力364kW(495HP)(グレードによる)のGT4モデルを、最終認証レベルに到達してレース出場申請が出せるように開発を続けていく。

Audi Sportの統括責任者 クリス ラインケ氏と、Audi Sportカスタマーレーシングのチームは、今年後半には生産準備に取りかかり、今年の年末までには、Audi R8 LMS GT4が初期ロットが顧客のもとへ届けられる計画を立てている。

なおAudi Sportは、Audi R8 LMS GT4のサービス、スペアパーツの物流、プロフェッショナルなサポートを世界中のネットワークを通じて行っていく。

Audi Sportカスタマーレーシングは、既にGT3の為にこのインフラストラクチャーを4つの大陸で構築しており、GT4のモデルレンジに対してもAudi RS 3 LMS同様にこれらの整備された国際ネットワーク網を活用していく構えだ。