全日本スーパーフォーミュラ選手権・第7戦「鈴鹿」、9ポイント中に六人がひしめく最終戦に突入


super-formula-round-4-final-bulletin-paul-to-win-in-ishiura-hiroaki-the-season-second-victory20150823-3

来る10月29日(土)と30日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキット(所在地:三重県鈴鹿市稲生町)で全日本スーパーフォーミュラ選手権第7戦「第15回JAF鈴鹿グランプリ」が開催。全7戦で戦われてきたスーパーフォーミュラもいよいよ最終戦に突入する。

2016-implementation-of-the-all-japan-championship-formula-super-series-outline-recital20160313-1

スーパーフォーミュラは、例年最終戦まで激戦が繰り広げられているが、今季もタイトル争いは混戦となっている。

ここまで6大会7レースを終えた時点で、複数回勝利を挙げているのは現在ランキングトップに付ける関口雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)のみ。

前戦までレース毎に異なる勝者が誕生し、ランキング上位6名が9ポイント差にひしめいての最終戦を迎える。

そのシーズン最終戦に於いて、今大会は2レース制で行われ、各レース毎に与えられるポイントは通常の半分となるが、特別ボーナスとして、各レースの勝者には通常ポイントに加え3ポイントが与えられる。

この結果、ポールポジションの1ポイントを加えれば、今大会は最大18ポイントを獲得出来る計算となる。

all-japan-super-formula-round-4-motegi-sekiguchi-is-first-victory-in-his-debut-four-races-eyes20160822-14

計算上、最大の18ポイントを獲得することでタイトルの可能性を残すのは12名となっているが、事実上は9ポイント内に入っている上位6名の争いと言って良いだろう。

ルーキーイヤーながら、それを感じさせない存在感で、前戦SUGOで圧倒的な強さを見せて今季2勝目を飾り、ランキング首位に復帰した関口。

これを4.5ポイント差で追うのが、第5戦第2レースで悲願のシリーズ戦初勝利を挙げた国本雄資(P.MU/CERUMO・INGING)が追い、ここまで1勝、2位2回と安定した速さを見せている。

all-japan-super-formula-round-4-motegi-sekiguchi-is-first-victory-in-his-debut-four-races-eyes20160822-13

そして、今季序盤苦しみ、未だ勝利がないものの着実にポイントを稼ぎ、ランキング3、4位につけるのがアンドレ・ロッテラー(VANTELIN TEAM TOM’S)と、中嶋一貴(VANTELIN TEAM TOM’S)のトムス元チャンピオンコンビ。どちらも勝負強さには定評がある。

この4人を、ディフェンディングチャンピオンの石浦宏明(P.MU/CERUMO・INGING)も僅差で追う。石浦は第2戦で勝利を挙げているとは言え、降雨による赤旗中断によるものであり、やはりレースを戦っての勝利を狙ってくるだろう。

しかも開催される鈴鹿サーキットは、言わずと知れた日本を代表する国際サーキットの一つ。

all-japan-super-formula-round-4-motegi-sekiguchi-is-first-victory-in-his-debut-four-races-eyes20160822-5

F1日本グランプリや二輪の8時間耐久レースの開催など、長い伝統を持ち、世界的にも有名なサーキットだ。シリーズでの鈴鹿戦は、開幕戦と最終戦の年2回開催されており、名勝負が数多く行われてきた。

世界的に見ても珍しい、立体交差を持ち8の字状に周回するコースは、前半がS字コーナーなどのテクニカルセクション、後半はバックストレートから超高速コーナーの130Rへと続くハイスピードセクションとを併せ持つ、チャレンジングなレイアウトでドライバーの人気も高い。1周5.807kmは、日本のサーキットでは最長である。

今大会は30日(日)の午前中に19周のレース1、午後に35周のレース2という2レース制で行われるが、レース1はピット義務無し、レース2はタイヤ交換義務付けとなる。

昨年はウェットコンディションでのレースとなったため、レース2もノーピットで行われたが、今年は昨年よりも7周多い周回数が設定されたことで、無給油で走り切るのは難しいと考えられる。それに伴い、作戦も様々なパターンが試されてくるだろう。

super-formula-2016-round-2-okayama-international-is-interrupted-by-heavy-rain-pp-ishiura-wins20160529-3

さらに予選は、通常通りの3ラウンド制ノックアウト方式で行われるが、Q1での結果がレース1のグリッドとなる。もちろん、ポールポジションの1ポイントも獲得出来るため、混み合うコース上での激しいタイムアタックがQ1から繰り広げられるはずだ。

これまで最終戦の鈴鹿は、昨年まで3年連続でウェットコンディションでのレースとなった。

昨年はレース1でロッテラーが勝利。石浦が2位で続き、自身初のタイトル獲得へ大手をかけた。

この石浦と最後までバトルを繰り広げ、惜しくも3位表彰台となったのが小林 可夢偉(SUNOCO TEAM LEMANS)。小林は今年、自身が「まだ開幕していない」と言うほどの不調に苦しんでいるが、2週間前に行われたWEC(世界耐久選手権)富士6時間レースでは初勝利を挙げており、その勢いで最終戦は本来の速さを見せて欲しいところだ。

competition-held-to-sprint-the-suzuka-circuit-in-the-only-rechargeable-battery20150707-2-min

中嶋一貴は昨年4位/2位で追い上げたものの及ばずランキング2位。2014年にはレース2をポール・トゥ・ウィンで飾って自身2度目のタイトル獲得を果たしており、こちらも期待がかかる。

もちろん、最も有利な状況でタイトル争いに臨むのは、前戦今季2勝目を挙げてランキング首位、そしてその後行われたSUPER GTタイラウンドでも初勝利と絶好調で初タイトルに臨む関口。ルーキーイヤーならではのプレッシャーは影響するのか。

そして同じく波に乗るランキング2位の国本と、豊富な経験で鈴鹿も得意とするロッテラー、中嶋一貴、そしてディフェンディングチャンピオンの石浦が追う最終戦。予選日から決勝の2レースまで、濃密な戦いが繰り広げられることになりそうだ。