2015全日本F3選手権、第14戦・福住仁嶺がポール・トゥ・ウインでF3初勝利


F3-Nでは三浦愛がスタートで先行も、小河諒が逆転し11勝目

全8大会・全17戦で争われる全日本F3選手権も、いよいよ佳境に差し掛かり、今季2回目の開催となるツインリンクもてぎを舞台に、第7大会の予選、そして第14戦決勝が8月22日(土)に行われた。

サーキットの上空には、予選が行われた午前中こそ灰色の雲が浮かんでいたが、午後の決勝の頃には日差しも強くなり、夏らしいコンディションとなった。

福住が今季2度目のPPを獲得、キャシディが2番手に

予選には金曜専有走行同様、16台が挑むことになったが、いきなりふたりのドライバーが1分46秒の壁を突破する。

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ニック・キャシディ/PETRONAS TEAM TOM’S、山下 健太/PETRONAS TEAM TOM’S、高星 明誠/B-Max Racing team with NDDP

トップタイムとなる1分45秒874を記録したのは、HFDP RACINGの福住仁嶺で、これにPETRONAS TEAM TOM’Sのニック・キャシディが1分45秒981で続く。次の周にも福住は1分45秒308にまで短縮を果たし、トップをキープすると、チェッカーを待たずにピットに戻る。

一方、キャシディもタイムアップには成功したが、1分45秒503に留まり、さらにもう1周を加えたものの、途中でアタックを終了していた。

ルーキー福住にとって、PP獲得は第8戦・富士以来2回目

「肝心なのは決勝ですが、それでもポールポジションを獲れて良かったです。レースウィークを通じて、いい流れが続いていると思うので、この流れを維持できるよう頑張ります。

とにかくスタートを失敗しないように。少し心配ですが」と笑顔を見せながら語ったルーキー福住にとって、ポールポジション獲得は第8戦・富士以来2回目となる。

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小河 諒/TOM’S

キャシディに続く3番手は、チームメイトの山下健太で1分45秒579をマーク。そして、4番手はB-MAX Racing team with NDDPの高星明誠で、ここまでが1分46秒台を切っていた。

F3-Nは、小河諒が三浦愛を、ほぼ1秒引き離す結果に

久々に全日本F3選手権参戦となったB-Max Racing teamの関口雄飛が、レギュラーのドライバーたちを抑えて5番手に、6番手はTODA RACINGの石川京侍が獲得した。

F3-Nクラスでは、TOM’Sの小河諒がトップ。1分50秒698から48秒255、48秒247と着実にタイムを刻んで、1分48秒216を記して2番手につけたEXEDY RACING TEAMの三浦愛を、ほぼ1秒引き離すこととなった。

それでも小河は「全体のトップとの差が、これまでより開いてしまったので」と、納得がいかぬようでもあった。3番手はB-Max Racing teamのDRAGONで、4番手はCMSの三浦勝が獲得した。

PP福住が好スタート、キャシディ、山下が続く

予選終了から4時間あまりで迎えた第14戦決勝のスタートは、午後3時38分。相変わらず上空には雲が浮かんでいるが、白い雲に変わって、なおかつ切れ間からは青空も見えるようになっていた。

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関口 雄飛 /B-Max Racing team、石川 京侍/TODA RACING

「とにかく普通にスタートが切れればいい、と自分に言い聞かせて集中していた」と語る福住は、実際にダッシュは2番手のキャシディの方が優れていたものの、無難なスタートを切ってグリッドの利も活かし、そのままトップで1コーナーに飛び込むことに成功する。

これに山下が続き、立ち上がりでは2ポジションアップとなった石川の姿が4番手にあったが、オープニングラップのうちに高星、関口に相次いで抜き返されてしまう。

一方、F3-Nクラスでは小河がスタートをミスして、三浦愛がトップに浮上。DRAGONも小河に迫ったものの、接触を回避するため引いたことでポジションをキープ。

独走の福住がファステストラップも奪い初優勝へ

直後の3コーナーではKRC Hanashima Racingのアレックス・ヤンとFSC MOTORSPORTのギョオム・クニントンが接触し、ヤンはその場でリタイア。

クニントンは復帰できたものの、周回遅れとなっていた。そして、小河はオープニングラップこそトップを明け渡したものの、2周目の4コーナーでの三浦愛のミスを逃さず、続く5コーナーで逆転を果たした後は、いつものようにギャップを広げ続けていった。

オープニングラップ終了時点での福住とキャシディの差は1秒5に。これが次の周にはほぼ2秒になるとともに、キャシディもまた続く山下との差を1秒にまで広げていた。

後方は構わずアタックし続けて、やっと勝てた……と福住

逆に詰まっていたのは山下と高星。そこから少しずつ間隔を広げていくことになったが、石川も関口から大きな後れを取らず続いていく。

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福住 仁嶺 /HFDP RACING

初めて走るトップにも、福住はストレスなく周回を重ねて徐々に差を広げていく。それでもなお11周目にファステストラップ、1分46秒877を記せたのは、それだけしっかりタイヤマネージメントができていたことの何よりもの証明と言えるだろう。最後はほぼ8秒の差をキャシディにつけてフィニッシュした。

「初優勝できて、とっても嬉しく思っています。練習中から調子は良くて、いい流れのまま予選に挑めて、決勝もポールからスタートも決まって。その後はもう、後ろのことを気にせずアタックし続けて走りました。やっと勝てた……、という感じです」と福住。

キャシディは2位で選手権のリードを5ポイントに拡大

2位はキャシディが獲得し、ランキングのトップを守ったばかりか、2位の山下との差も5ポイントにまで拡大。

「だが、5ポイントしかないと考えたい。明日のスタート位置は良くないから、少なくても差を減らさないようにしないとね」とキャシディ。

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その山下は終始、高星を背後に置いて11周目の5コーナー、130Rで並ばれるも、そのつどしっかりガードを固めて逆転を許さず。我慢のレースを強いられたものの、3位を得ることとなった。

また、この激しい攻防の間に、石川を振り切った関口が一気に接近。もう1、2周あったなら、きっと違った展開になっていたことだろう。

F3-Nでは小河諒が三浦愛、DRAGONを従え独走V

F3-Nクラスでは、ひとり1分49秒台で周回し続けていた小河が圧勝。チャンピオンをすでに決めていても、ライバルに花を持たせようなどという気は毛頭ないようだ。

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三浦 愛/EXEDY RACING TEAM、小河 諒/TOM’S
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高星 明誠/B-Max Racing team with NDDP、関口 雄飛 /B-Max Racing team

最後は14秒差で11勝目をマーク。三浦愛に続いてゴールしたのは、DRAGONで実に13回目の3位を獲得。そして、予選順位のまま三浦勝が4位でフィニッシュしている。

「途中まで違うクラスのクルマについていけたのですが……。明日のレースでは最後まで食らいついて、チャンスがあれば抜くようなレースをしたいですね」と、小河はひとつ上のターゲット実現を誓っていた。

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